2021年入試問題研究に戻る東北大数学AO 3番解答
$ a_0 $ が合成数であるとし,その1つの素因数を $ p $ として, $ a_0=pq $ とおく. このとき, \begin{eqnarray*} f(p)&=&a_np^n+a_{n-1}p^{n-1}+a_{n-2}p^{n-2}+\cdots +a_1p+pq\\ &=&\left(a_np^{n-1}+a_{n-1}p^{n-2}+a_{n-2}p^{n-2}+\cdots +a_1+q\right)p \end{eqnarray*} $ a_1,\ a_2,\ \cdots,\ a_n $ が非負整数で, $ q>0 $ なので, \[ a_np^{n-1}+a_{n-1}p^{n-2}+a_{n-2}p^{n-2}+\cdots +a_1+q>0 \] となり, $ f(p) $ は素数ではない.
$ a_0\ne 1 $ なので, $ a_0 $ は素数かまたは0である.
$ a_0 $ が素数のとき. $ a_0=p $ とおく. \[ f(p)=\left(a_np^{n-1}+a_{n-1}p^{n-2}+a_{n-2}p^{n-2}+\cdots +a_1+1\right)p \] これが素数となるのは \[ a_np^{n-1}+a_{n-1}p^{n-2}+a_{n-2}p^{n-2}+\cdots +a_1+1=1 \] のときである.非負整数 $ a_1,\ a_2,\ \cdots,\ a_n $ の中に0でないものがあれば この式の左辺は1より大きい.よって,この場合(A)が成り立つ.
$ a_0 $ が0のとき. \[ f(p)=\left(a_np^{n-1}+a_{n-1}p^{n-2}+a_{n-2}p^{n-2}+\cdots +a_1\right)p \] これが素数となるのは \[ a_np^{n-1}+a_{n-1}p^{n-2}+a_{n-2}p^{n-2}+\cdots +a_2p+a_1=1 \] のときである. 非負整数 $ a_2,\ \cdots,\ a_n $ の中に0でないものがあれば この式の左辺は1より大きい. 1となるのは, $ a_1=1 $ , $ a_2=a_3=\cdots=a_n=0 $ ,つまり(B)が成り立つ場合にかぎる.
よって題意が示された.