2022年入試問題研究に戻る奈良医大(後)4番解答
(1) 条件式を $ x $ で微分する. \begin{eqnarray*} -2P(x)P'(x)&=&Q(x)Q'(x)(1-x^2)-2xQ(x)^2\\ &=&Q(x)\{2Q(x)'(1-x^2)-2xQ(x)\} \end{eqnarray*} これより, $ Q(x) $ は $ P(x)P'(x) $ の約数である.
(2) \[ P(x)^2+Q(x)^2(1-x^2)=1 \] であるから, $ P(x) $ と $ Q(x) $ の共通因数は右辺の約数となる. 右辺が1なので, $ P(x) $ と $ Q(x) $ は互いに素である.
従って, $ Q(x) $ は $ P'(x) $ の約数である.(3) $ P(x) $ の次数を $ p $ , $ Q(x) $ の次数を $ q $ とする.条件式より \[ 2p=2q+2 \] なので, $ q=p-1 $ となり, $ Q(x) $ と $ P'(x) $ は同次である. (2)とあわせ,ある定数 $ \alpha $ を用いて, \[ P'(x)=\alpha Q(x) \] と表される.
$ P(x)=ax^p+\cdots $ とおく。ただし, $ \cdots $ の部分は最高次以外の項を表すとする. \[ \alpha Q(x)=P'(x)=apx^{p-1}+\cdots \] である.また条件 $ (C) $ より, \[ -a^2x^{2p}+\cdots=-x^2\cdot \dfrac{a^2p^2}{\alpha^2}x^{2(p-1)}+\cdots \] なので, \[ a^2=\dfrac{a^2p^2}{\alpha^2} \] これより \[ \alpha^2=p^2 \] つまり \[ \alpha= p\ または\ -p \] 右辺を $ n $ とおくと \[ P'(x)=n Q(x) \] と表され, $ n $ は整数である.