next up previous
次: 81年文系 上: 京大行列・一次変換過去問題 前: 76年文系

78年文理

$\theta$ の回転を表わす行列を $R(\theta)$ とする. すなわち $R(\theta)=\matrix{\cos\theta}{-\sin\theta}{\sin\theta}{\cos\theta}$ とする. 2次正方行列 $X$ で,$X^3=R(\theta)$ をみたすものはどれだけあるかを考えたい.
  1. 行列 $X$ が,$X^3=R(\theta)$ をみたせば,$X$ は逆行列をもち, かつ $R(\theta)X=XR(\theta)$ が成立することを示せ.
  2.  行列 $X$ が,ある角 $\alpha$ の回転を表わす行列 $R(\alpha)$ と, 左上が正,左下が0であるような行列 $T$ との積であるとする.すなわち $X=R(\alpha)T$, ただし $T=\matrix{a}{b}{0}{c}$ とする.

    このとき,もし $X$ $R(\theta)X=XR(\theta)$ をみたし, さらに $\theta$$\pi$ の整数倍でなければ,$a=c$$b=0$ であることを示せ.

  3. 一般に,逆行列をもつ任意の行列 $X$ は, ある角 $\alpha$ の回転を表わす行列 $R(\alpha)$ と,左上が正, 左下が0であるような行列 $T$との積 $X=R(\alpha)T$ として表わされる. 行列に対応する1次変換を考えることによって,このことを示せ.
  4.  $X^3=R(\theta)$ をみたす行列 $X$ は, $\theta$$\pi$ の整数倍でなければ,ちょうど3個存在し, $\theta$$\pi$ の整数倍ならば,無限に多く存在することを示せ.


Aozora Gakuen