1 n人が 巴戦を行うとき,それぞれの優勝する確率と 終了するまでの試合回数(番数)の期待値を求めよ. ただし,実力は同じとする.
詳しくルールを説明すると以下の通り. n人が一列に並んでいる. 先頭の二人が勝負をして勝った方が先頭に残る. 負けた方は列の最後につく. これを繰り返して(n-1)連勝したとき優勝する.
巴戦は相撲で行われている優勝決定戦です. 千秋楽が終わったとき白星の最も多い者が二人いるときは その二人で一番の相撲をとって勝った方が優勝です. しかし,三人のときは上の巴戦を行います. 最初の二人が後に戦う人より少し有利だと言うのは 良く知られた事実です. この事実は「最初に戦う者は二番続けて行うから疲れる. だから平等...??」とかいういい加減な説明で かたづけられているようです.
これをn人でやったらどうなるのか, というのが この問題です. 実際の相撲で 四人以上の優勝候補者がいる場合, 巴戦を行わずトーナメントを行うようです. 伝統的な巴戦を捨てるのは納得がいきませんね (だったら三人でもやめるべきでは?). 「終了するまでの番数の期待値が あまりに増大するのであればトーナメントでも やむなし」という結論が得られるならば納得できるので, 終了するまでの番数の期待値も求めましょうという ことにしました.
すぐにできると思っていたのですが 途中で放置したりして,いろいろな人に相談して 数ヶ月を経てやっと解答を得ることができました. 最終的な解答は カワノーエ氏,Y氏の協力によります.
この問題は素朴な問であり,しかも,解答も 高校生か大学一年生で理解できます(そのはず). ですが,どの解法もかなり計算の複雑さを窮めています.いい別解はありませんか?