k連勝している人が先頭にいるときのm番目にいる人の 優勝する確率をPk,mとおきます. ( )
を求めることが 最終目標です.
(n-1)連勝しているとき 先頭の人が優勝しているのだから
が成り立ちます.
次に,k連勝 しているとき, 先頭の二人が勝負することを考えましょう.
先頭にいる人は,1/2の確率で(k+1)連勝するか, 1/2の確率で負けるかのどちらかです.
ですから,
同様に,2番目の人は
3番目以降の人は,自らは勝負をしませんが ひとつ順番があがることに注意しましょう.
ここで得た式を 並べておきましょう.
式を与えられれば解けるはずですが 実際に解くのはかなり難しくなります.
ここでは,おなじみの行列を用いる方法, 式変形だけで解く方法を紹介します.
この方法は大学生で習う余因子行列や行列式の 基礎的な知識があれば理解できるはずです.(多分..)
漸化式より
このとき,
まず M の形を調べる.
これ以降は高校生にも理解可能です. 誘導をつければ難しめの入試問題とでもいった感じになります.
式だけ与えてやれというのは,, どの変数が重要かということを理解していないと どうどうめぐりの式を量産して投げ出してしまいそうです. 私自身 多大な時間を費やしてしまったので 高校生では,,, いや,道具を知らない高校生こそができるに違いない.
に注意します.作戦としては, 「各P1,mをひとつの文字で表す」 ことを目指します.
まずP1,1をP1,nを用いて表すことを考えます.
(1)を繰り返し用いることによって
(4)より Pn-1,1=1であるから
次に,
を調べます.ここでは
でてきた式を
(3)を用いて一番左だけを変形していきます.
また,(4)を効果的に用いている
ことに注意しましょう.
まとめて書いておくと, に対して
あるいは
である.
ここで
とおくと,
が成り立つ.
一方, に対しても同様の操作を行う.
まとめて書いておくと, に対して
あるいは
である.
よって,(8)より
(8)より
に対して,
が成り立つ.
これで,最初に掲げた作戦はほぼ終了しました. これを(7)に代入してP1,nをP1,2で表すことができます.
さらに,(6)によってP1,1をP1,2で 表すことができます.
したがって,(5)に代入することによって P1,2が得られます.
したがって, を すべて求めることができます.
よって, を求めることができます.
(詳しくは,後で書く.)