次: 代数的な証明
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前: 幾何的定義による証明
次に,座標による定義をもとにした証明をおこなおう.
すでに「重心座標による証明」がある.これを射影幾何での証明に甦らせよう.
に枠が定まればこれによって同次座標が定まる.
同次座標が
,
である
二点を通る直線の方程式は
|
(4.3) |
と表される.
なぜなら,直線上の点は媒介変数をもちいて
と表される.ただし
で点の同次座標を表している.
これはにおける3ベクトル
が一次従属であることとで,
それはまた3ベクトルによる行列式が0であることと同値になるからである.
そしてこれは3点
が共線である条件でもある.
において一般の位置にある4点
による
枠
によって
同次座標が定まっているとき,
三角形をこの同次座標の座標三角形という.
座標三角形の頂点である3点は,この同次座標に関して
となる.この座標三角形を使えば,重心座標によるパスカルの定理の証明を書き直すことができる.
定理10の3点
とこれらと一般の位置にある点をとり,
枠
を定める.
この同次座標によるの方程式を
とする.これが
の頂点を通る.
頂点の同次座標,,
が方程式を満たすので,
である.
よって方程式は
となる.
枠に関する他の3点の座標を
とする.これらが上にあるので
係数のすべてが0ではないので,
|
(4.4) |
である.
二点
,
を通る直線の方程式と,
二点
,
を通る直線の方程式は,それぞれ
となる.これより
なので,との交点の座標は
同様にして,
,
を通る直線の方程式と,
,
を通る直線の方程式
から交点を求めると
また
,
を通る直線の方程式と,
,
を通る直線の方程式
から
交点を求めると
となる.
つまり3点は共線である.
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2014-01-03