これを,事象が起こったという条件のもとでが起こる確率という意味で, 条件付き確率という.
条件付き確率 $ p_A $ は,集合 $ U $ を標本空間とする確率になっている. つまり, $ (U, p_A) $ が集合 $ U $ を標本空間とする新たな確率空間となる.
それを確認する.
確率の定義の条件をみたせばよい.
$ p_A(A)=\dfrac{p(A\cap A)}{p(A)}=\dfrac{p(A)}{p(A)}=1 $ であるから, 確率空間 $ (U, p_A) $ はまた, $ A $ を標本空間とする確率空間 $ (A, p_A) $ ともみなすことができる.
なお,根元事象が同様に確からしく,集合の要素の個数で確率が決まるときは,
\[
p_A(B)=\dfrac{p(A\cap B)}{p(A)}
=\dfrac{\dfrac{n(A\cap B)}{n(U)}}{\dfrac{n(A)}{n(U)}}
=\dfrac{n(A\cap B)}{n(A)}
\]
である.
5枚の赤いカードに,2,3,4,5,6という数がそれぞれ一つずつ書いてあり,5枚の青いカードにも,7,8,9,10,11という数がそれぞれ一つずつ書いてある.赤いカードのうちから1枚,青いカードのうちから1枚引いて,書かれてある数をそれぞれ として確率変数 を定め, として確率変数 を定める.
二つのさいころAとBがあり,各面に
という目が書かれている.
これらのさいころについて,Aのさいころの各面には
のシールを貼り,
Bのさいころの各面には
の目のシールを貼った.
はじめに硬貨を投げ,次にAとBのさいころを同時に投げる次の試行を行う.
を整数としを実数とする.A,Bの2人が次のようなゲームを行う. まずAが3枚の硬貨を投げ,表の出た枚数をとする.ならAの勝ち,ならBの勝ちとする. のときは当たる確率がのくじをAが引き,当たればAの勝ち,そうでなければBの勝ちとする. A,Bとも,勝った場合には円の賞金がもらえ,負けた場合には何ももらえない(0円もらう)とする. ここでおよびの値は,AとBのもらう賞金の期待値が等しくなるように定める.