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演習問題

    解答 1       問題1
  1. 12人はそれぞれ3通りずつの入れ方がある.

    \begin{displaymath}
3^{12}=531441\ (通り)
\end{displaymath}

  2. 12人のうちどの8人が A の箱にボールを入れるかが ${}_{12} \mathrm{C}_8={}_{12} \mathrm{C}_4=495$通りあり, 残る4人が B,C の箱に入れる入れ方が $2^4=16$通りあるから, 求める入れ方は

    \begin{displaymath}
495\times 16=7920 \ (通り)
\end{displaymath}

  3. A,B,C の各箱に入るボールの個数を $x,\ y,\ z$ とすると

    \begin{displaymath}
x+y+z=12,\ x\ge 0,\ y\ge 0,\ z\ge 0 \quad \cdots\maru{1}
\end{displaymath}

    1の解 $\{x,\ y,\ z\}$ の個数が求めるものである.これは3種類の ものから重複を許して12個とる方法の数であるから

    \begin{displaymath}
{}_3 \mathrm{H}_{12}={}_{3+12-1} \mathrm{C}_{12}={}_{14} \mathrm{C}_2=91
\end{displaymath}

  4. 「一つ一つのボールをA,B,C の箱のいずれかに入れる」がこれ以上分解でき ない「根元事象」 で,それが同様に確からしい.それらの事象の総数は $3^{12}$ ある. そのなかで A の箱にちょうど $k$ 個入るのは(2)と同様に

    \begin{displaymath}
{}_{12} \mathrm{C}_k\times 2^{12-k}\ (通り)
\end{displaymath}

    したがって A の箱に8個以上入るのは

    \begin{displaymath}
\sum_{k=8}^{12}{}_{12} \mathrm{C}_k\times 2^{12-k}\ (通り)
\end{displaymath}

    これを計算すると9969(通り)である.


    \begin{displaymath}
(求める確率)
=\dfrac{{}_3 \mathrm{C}_1\cdot9969}{3^{12}}=\dfrac{3323}{59049}
\end{displaymath}

注意     (4)で次の解答は誤りである.
4個のボールを A,B,C の箱に分けて入れる方法の数は(3)と同じように

\begin{displaymath}
{}_3 \mathrm{H}_4={}_{3+4-1} \mathrm{C}_4={}_6 \mathrm{C}_2=15
\end{displaymath}

通りある.

残る8個のボールを一緒にして A,B,C のどれかに入れる方法は3通りあるから

\begin{displaymath}
(求める確率)=\dfrac{15 \times 3}{91}=\dfrac{45}{91}
\end{displaymath}

本問では何が「同様に確からしい」のか. これは「順番に A,B,C の箱のいずれかに入れていく行爲」が無作為になされ, その結果 「一つ一つのボールがA,B,C の箱のいずれに入るかが同様に確からしい」としなければならない.

したがって次の三つの事象は同様に確からしい.

  1. 太郎君がボールを A に入れ,次郎君がボールを B に入れ, 他の人がC に入れた事象
  2. 太郎君がボールを B に入れ,次郎君がボールを A に入れ, 他の人がC に入れた事象
  3. 太郎君がボールを A に入れ,次郎君もボールを A に入れ, 他の人がC に入れた事象
どの2人でも同じことであるから,10個が C にはいる事象の中で,A,B に 1個ずつ入る事象の方が,Aに2個入る事象の2倍起こりやすい. ところがこの解では問題の (1)と(2)の事象が同一視されて,10個が C にはいる事象の中で,A,B に 1個ずつ入る事象とAに2個入る事象の確率が等しいとされてしまうので, 間違いである.

    解答 2       問題2
  1. 確率変数$X$が素数になるという事象を$x$のように小文字で表す. 以下,その他の文字についても同様である.

    赤いカードの素数は2, 3, 5なので

    \begin{displaymath}
P(x)=\dfrac{3}{5}
\end{displaymath}

    $X$$Y$のそれぞれの値に対して$Z$のとる値は次のようになる.

    \begin{displaymath}
\begin{array}{\vert c\vert c\vert c\vert c\vert c\vert c\v...
...22\\
\hline
11&15&17&19&21&23\\
\hline
\end{array}
\end{displaymath}

    このうち$Z$が素数になるのは,10 通り.

    \begin{displaymath}
P(z)=\dfrac{10}{25}=\dfrac{2}{5}
\end{displaymath}

  2. $Z$ が素数になるという条件のもとで$X$ が素数になる条件つき確率を $P_z(x)$と表す.その他も同様とする.

    (1)の表から$z$が素数で$x$が素数なのは6通りある.

    \begin{displaymath}
P(x\cap z)=\dfrac{6}{25}
\end{displaymath}


    \begin{displaymath}
∴\quad P_z(x)=\dfrac{6}{25}\div \dfrac{2}{5}=\dfrac{3}{5}
\end{displaymath}

    同様に(1)の表から$z$が素数で$y$が素数なのは7通りある.

    \begin{displaymath}
P(y\cap z)=\dfrac{7}{25}
\end{displaymath}


    \begin{displaymath}
∴\quad P_z(y)=\dfrac{7}{25}\div \dfrac{2}{5}=\dfrac{7}{10}
\end{displaymath}

  3. $P(x)=\dfrac{3}{5}$かつ $P_z(x)=\dfrac{3}{5}$なので $X$ が素数になるという事象と $Z$ が素数になるという事象は独立である.

    $P(y)=\dfrac{2}{5}$かつ $P_z(y)=\dfrac{7}{10}$なので $Y$ が素数になるという事象と $Z$ が素数になるという事象は独立でない.

  4. \begin{eqnarray*}
E(X)&=&\dfrac{1}{5}(2+3+4+5+6)=4\\
E(Y)&=&\dfrac{1}{5}(7+8+9+10+11)=9\\
\end{eqnarray*}


    \begin{displaymath}
∴\quad E(Z)=E(2X+Y)=2E(X)+E(Y)=17
\end{displaymath}

    解答 3       問題3
  1. A,Bとも $1,\ 2,\ 3,\ 4,\ 5,\ 6$の場合,ここから2つを選んで目の和が3の倍数になるのは

    \begin{displaymath}
\begin{array}{cccc}
(1,\ 2)&(1,\ 5)&(3,\ 6)&(6,\ 6)\\
...
...\ 4)&\\
&(4,\ 2)&(6,\ 3)&\\
&(5,\ 1)&&\\
\end{array}
\end{displaymath}

    で,その確率は $\dfrac{12}{36}=\dfrac{1}{3}$

    次にAが $1,\ 3,\ 4,\ 5,\ 6,\ 8$で,Bが $1,\ 2,\ 2,\ 3,\ 3,\ 4$ の場合, 目の和が3の倍数になるのは,重なりをそれぞれ書きあげると

    \begin{displaymath}
\begin{array}{cccc}
(1,\ 2)&(3,\ 3)&(5,\ 4)&(8,\ 4)\\
...
...\ 3)&\\
&(4,\ 2)&(8,\ 1)&\\
&(5,\ 1)&&\\
\end{array}
\end{displaymath}

    で,その確率は $\dfrac{12}{36}=\dfrac{1}{3}$である.

    したがってこの試行で目の和が3の倍数であるという確率は $\dfrac{1}{2}\cdot\dfrac{1}{3}+\dfrac{1}{2}\cdot\dfrac{1}{3}=\dfrac{1}{3}$である.

    このうち二つのさいころの目の差が2以下である事象は, 第1の場合は8通りあり確率は $\dfrac{8}{36}=\dfrac{2}{9}$である. 第2の場合は7通りあり確率は$\dfrac{7}{36}$である.

    ゆえに求める条件つき確率は

    \begin{displaymath}
\left(\dfrac{1}{2}\cdot\dfrac{2}{9}+\dfrac{1}{2}\cdot\dfrac{7}{36} \right)\div\dfrac{1}{3}
=\dfrac{5}{8}
\end{displaymath}

  2. 面が $1,\ 2,\ 3,\ 4,\ 5,\ 6$であるサイコロ1個を投げたときの目の期待値を$X_1$

    面が $1,\ 3,\ 4,\ 5,\ 6,\ 8$であるサイコロ1個を投げたときの目の期待値を$X_2$

    面が $1,\ 2,\ 2,\ 3,\ 3,\ 4$であるサイコロ1個を投げたときの目の期待値を$X_3$ とする.

    硬貨を投げて表が出たとき同時に投げた二つのさいころの目の和の期待値を$Y$とすると, $Y=X_1+X_1$なので

    \begin{displaymath}
E(Y)=E(X_1+X_1)=2E(X_1)=2\cdot\dfrac{1+2+3+4+5+6}{6}=7
\end{displaymath}

    \begin{eqnarray*}
E(X)&=&\dfrac{1}{2}E(Y)+\dfrac{1}{2}E(X_2+X_3)\\
&=&\dfrac{...
...\left(7+\dfrac{1+3+4+5+6+8}{6}+\dfrac{1+2+2+3+3+4}{6} \right)=7
\end{eqnarray*}

    解答 4       問題4
  1. 表の出た枚数が$X$のとき$A$$B$のいずれかが$X+1$をもらう.

    $A$がもらう賞金の期待値を$E_A$$B$がもらう賞金の期待値を$E_B$とする.もらえる賞金は1円から4円である.

    \begin{eqnarray*}
E_A+E_B&=&
1\cdot{}_3\mathrm{C}_0\left(\dfrac{1}{2}\right)...
..._3\mathrm{C}_3\left(\dfrac{1}{2}\right)^3\\
&=&\dfrac{5}{2}
\end{eqnarray*}

    したがって$E_A=E_B$なら, $E_A=E_B=\dfrac{5}{4}$でなければならない. $E_A$$E_B$のいずれかが$\dfrac{5}{4}$となるような$k$$q$の値を求めればよい.

    $k\le -1$なら$E_B=0$$3\le k$なら$E_A=0$である. ゆえに$k=0,\ 1,\ 2$が必要である.

    1. $k=0$のとき.$B$が勝ちうるのは$X=0$のとき. このとき$B$が勝つ確率は

      \begin{displaymath}
{}_3\mathrm{C}_0\left(\dfrac{1}{2}\right)^3\times(1-q)
\end{displaymath}

      で,賞金は1点. ゆえに $\dfrac{5}{4}=E_B$より

      \begin{displaymath}
\dfrac{5}{4}={}_3\mathrm{C}_0\left(\dfrac{1}{2}\right)^3\times(1-q)
\end{displaymath}

      $0\le q \le 1$$q$でこれを満たすものはない.
    2. $k=1$のとき.$B$が勝ちうるのは$X=0,\ 1$のとき.

      $X=0$$B$が勝つ確率は

      \begin{displaymath}
{}_3\mathrm{C}_0\left(\dfrac{1}{2}\right)^3
\end{displaymath}

      で,賞金は1点.

      $X=1$$B$が勝つ確率は

      \begin{displaymath}
{}_3\mathrm{C}_1\left(\dfrac{1}{2}\right)^3\times(1-q)
\end{displaymath}

      で,賞金は2点.

      ゆえに $\dfrac{5}{4}=E_B$より

      \begin{displaymath}
\dfrac{5}{4}=
{}_3\mathrm{C}_0\left(\dfrac{1}{2}\right)^...
...\cdot {}_3\mathrm{C}_1\left(\dfrac{1}{2}\right)^3\times(1-q)
\end{displaymath}

      $0\le q \le 1$$q$でこれを満たすものはない.
    3. $k=2$のとき.$A$が勝ちうるのは$X=2,\ 3$のとき.

      $X=2$$A$が勝つ確率は

      \begin{displaymath}
{}_3\mathrm{C}_2\left(\dfrac{1}{2}\right)^3\times q
\end{displaymath}

      で,賞金は3点.

      $X=3$$A$が勝つ確率は

      \begin{displaymath}
{}_3\mathrm{C}_3\left(\dfrac{1}{2}\right)^3
\end{displaymath}

      で,賞金は4点.

      ゆえに $\dfrac{5}{4}=E_A$より

      \begin{displaymath}
\dfrac{5}{4}=3\cdot{}_3\mathrm{C}_2\left(\dfrac{1}{2}\righ...
...times q+
4\cdot{}_3\mathrm{C}_3\left(\dfrac{1}{2}\right)^3
\end{displaymath}

      $q=\dfrac{2}{3}$である.
    4. $k=3$のとき.$A$が勝ちうるのは$X=3$のとき. $A$が勝つ確率は

      \begin{displaymath}
{}_3\mathrm{C}_3\left(\dfrac{1}{2}\right)^3q
\end{displaymath}

      で,賞金は4点.

      ゆえに $\dfrac{5}{4}=E_A$より

      \begin{displaymath}
\dfrac{5}{4}=4\cdot{}_3\mathrm{C}_3\left(\dfrac{1}{2}\right)^3\times q
\end{displaymath}

      $0\le q \le 1$$q$でこれを満たすものはない.

    \begin{displaymath}
∴\quad k=2,\ q=\dfrac{2}{3}
\end{displaymath}

  2. $X=0,\ 1,\ 2,\ 3$のそれぞれと,$X=2$のときはさらにくじの当たりはずれで場合に分けると, $A$$B$の賞金額が確定する.

    \begin{displaymath}
\begin{array}{\vert c\vert c\vert c\vert c\vert c\vert c\v...
...\
\hline
Bの賞金&1&2&3&0&0\\
\hline
\end{array}
\end{displaymath}

    上のゲームを2回行ったとき,Bの賞金総額が3円であるのは,0円と3円か,1円と2円場合なので, 2回のうちいずれの回にどちらが起こるかを考えると,その確率は

    \begin{displaymath}
2\times\left\{\dfrac{1}{8}\cdot\left(\dfrac{2}{8}+\dfrac{1...
...ght)+
\dfrac{1}{8}\cdot\dfrac{3}{8} \right\}=\dfrac{3}{16}
\end{displaymath}

    このとき,Aの賞金総額も3円であるのは.2ではずれと2で当りが1度ずつ起こるときなので,

    \begin{displaymath}
2\times\dfrac{1}{8}\cdot\dfrac{2}{8}=\dfrac{1}{16}
\end{displaymath}

    求める条件付き確率は

    \begin{displaymath}
\dfrac{1}{16}\div\dfrac{3}{16}=\dfrac{1}{3}
\end{displaymath}

    である.

    解答 5       問題5
  1. 部屋を移る確率は$\dfrac{1}{3}$,移らない確率は$\dfrac{2}{3}$である. したがって

    \begin{displaymath}
\begin{array}{l}
P_A(n+1)=\dfrac{2}{3}P_A(n)+\dfrac{1}{3...
...(n)+\dfrac{2}{3}P_B(n)
\end{array}
\quad \cdots\maru{1}
\end{displaymath}

    ただし $P_A(n)+P_B(n)=1$である. これから

    \begin{displaymath}
\begin{array}{ll}
P_A(1)=\dfrac{2}{3}P_A(0)+\dfrac{1}{3}...
...c{14}{27},\
&P_B(3)=1-P_A(3)=\dfrac{13}{27}
\end{array}
\end{displaymath}

    また,3回で起こりうる持ち点は $4,\ 2,\ 0,\ -2$

    \begin{displaymath}
\begin{array}{lcccc}
持ち点&4&2&-2\\
部屋&AAA&AA...
...\dfrac{1}{3}\right)\left(\dfrac{2}{3}\right)^2
\end{array}
\end{displaymath}


    \begin{displaymath}
E(3)=4\cdot\dfrac{8}{27}+2\cdot\dfrac{8}{27}+(-2)\dfrac{4}{27}
=\dfrac{40}{27}
\end{displaymath}

  2. (1)に解答あり.
  3. $\maru{1}$から

    \begin{displaymath}
P_A(n+1)-P_B(n+1)=\dfrac{1}{3}\{P_A(n)-P_B(n)\}
\end{displaymath}


    \begin{displaymath}
∴\quad P_A(n)-P_B(n)=\left(\dfrac{1}{3}\right)^n\{P_A(0)-P_B(0)\}
=\left(\dfrac{1}{3}\right)^n
\end{displaymath}

    $P_A(n)+P_B(n)=1$とあわせて

    \begin{eqnarray*}
P_A(n)&=&\dfrac{1}{2}\left\{1+\left(\dfrac{1}{3}\right)^n\ri...
...(n)&=&\dfrac{1}{2}\left\{1-\left(\dfrac{1}{3}\right)^n\right\}
\end{eqnarray*}

  4. $k$回目の試行による持ち点の増減量を$X_k$とする.

    \begin{displaymath}
E(n)=1+E(X_1+X_2+\cdots+X_n)=1+\sum_{k=1}^nE(X_k)
\end{displaymath}

    ここで

    \begin{displaymath}
E(X_k)=1\cdot P_A(k)+(-1)\cdot P_B(k)=\left(\dfrac{1}{3}\right)^k
\end{displaymath}

    \begin{eqnarray*}
∴\quad E(n)&=&1+\sum_{k=1}^nE(X_k)
=1+\sum_{k=1}^n\left(...
... =\dfrac{3}{2}\left\{1-\left(\dfrac{1}{3}\right)^{n+1}\right\}
\end{eqnarray*}

    $n=3$のとき計算すると,

    \begin{displaymath}
\dfrac{3}{2}\left\{1-\left(\dfrac{1}{3}\right)^4\right\}
=\dfrac{3}{2}\cdot\dfrac{80}{81}=\dfrac{40}{27}
\end{displaymath}

    (1)ではそれぞれの持ち点に対する確率を計算したが,(4)の方法の方が簡明である.

    解答 6       問題6
  1. $N=5$のとき.$X=0,\ Y=0$となるのは,5の目が連続する場合なので

    \begin{displaymath}
P(X=0,\ Y=0)=\dfrac{1}{6}\cdot\dfrac{1}{6}=\dfrac{1}{36}
\end{displaymath}

    一方$Y=0$となるのは,2つの目の出方が

    \begin{displaymath}
(1,\ 4),\ (2,\ 3),\ (3,\ 2),\ (4,\ 1),\ (6,\ 4),\ (4,\ 6),\ (5,\ 5)
\end{displaymath}

    となる場合なので7通りある.

    \begin{displaymath}
∴\quad P(X=0)P(Y=0)=\dfrac{1}{6}\cdot\dfrac{7}{36}\ne\dfrac{1}{36}
\end{displaymath}

    つまり2つの確率変数$X$$Y$は独立ではない.

    $N=6$のとき. $X$$i$に固定する.このとき2回目に出る目を$x$とすれば$Y=j$となるのは

    \begin{displaymath}
i+x=j+(6の倍数)
\end{displaymath}

    のとき.この$x$ $x=j-i+(6の倍数)$より$j-i$を6で割った余りなのでただ一つである.

    \begin{displaymath}
∴\quad P(X=i,\ Y=j)=\dfrac{1}{6}\cdot\dfrac{1}{6}=\dfrac{1}{36}
\end{displaymath}

    一方$Y=j$となるのは,1回目の結果が $X=i\ (i=0,\ 1,\ 2,\ \cdots,\ 5)$のいずれに対しても, 2回目に出るべき目は$j-i$を6で割った余りなのでただ一つである.

    \begin{eqnarray*}
∴&&P(X=i)P(Y=j)\\
&=&\dfrac{1}{6}\cdot{}_6\mathrm{C}_1\left(\dfrac{1}{6}\right)^2
=\dfrac{1}{36}
\end{eqnarray*}

    つまり2つの確率変数$X$$Y$は独立である.
  2. $N=3$のとき. $X$$i$に固定する.このとき2回目に出る目を$x$とすれば$Y=j$となるのは

    \begin{displaymath}
i+x=j+(3の倍数)
\end{displaymath}

    のとき.この$x$は, $x=j-i+(3の倍数)$より$j-i$を3で割った余りなので2つある.

    \begin{displaymath}
∴\quad P(X=i,\ Y=j)=\dfrac{2}{6}\cdot\dfrac{2}{6}=\dfrac{1}{9}
\end{displaymath}

    一方$Y=j$となるのは,$X$$i=1,\ 2,\ 3$のいずれに対しても, 2回目の目は$j-i$を3で割った余りなので2つある.

    \begin{eqnarray*}
∴&&P(X=i)P(Y=j)\\
&=&\dfrac{2}{6}\cdot{}_3\mathrm{C}_1\left(\dfrac{2}{6}\right)^2
=\dfrac{1}{9}
\end{eqnarray*}

    つまり2つの確率変数$X$$Y$は独立である.

    $N=4$のとき.$X=0,\ Y=0$となるのは,4の目が連続する場合なので

    \begin{displaymath}
P(X=0,\ Y=0)=\dfrac{1}{6}\cdot\dfrac{1}{6}=\dfrac{1}{36}
\end{displaymath}

    一方$Y=0$となるのは,2つの目の出方が

    \begin{displaymath}
(1,\ 3),\ (2,\ 2),\ (3,\ 1),\ (6,\ 2),\ (5,\ 3),\ (4,\ 4),\ (3,\ 5),\ (2,\ 4),\ (6,\ 6)
\end{displaymath}

    となる場合なので9通りある.

    \begin{displaymath}
∴\quad P(X=0)P(Y=0)=\dfrac{1}{6}\cdot\dfrac{9}{36}\ne\dfrac{1}{36}
\end{displaymath}

    2つの確率変数$X$$Y$は独立ではない.

    $N\ge 7$のとき.$X=6$のとき,$Y=6$となることはない.

    \begin{displaymath}
∴\quad P(X=6,\ Y=6)=0
\end{displaymath}

    一方$Y=6$となるのは,2つの目の出方が

    \begin{displaymath}
(1,\ 5),\ \cdots
\end{displaymath}

    といくつかあり, $P(X=6)=\dfrac{1}{6}$なので

    \begin{displaymath}
P(X=6)P(Y=6)\ne 0
\end{displaymath}

    つまり2つの確率変数$X$$Y$は独立ではない.

    解答 7       問題7
  1. \begin{eqnarray*}
P(X=0)&=&(1-a)(1-b)\\
P(X=1)&=&a(1-b)+(1-a)b\\
P(X=2)&=&ab
\end{eqnarray*}

    であるから

    \begin{eqnarray*}
(1-a)(1-b)&=&(1-p)^2\\
a(1-b)+(1-a)b&=&2p(1-p)\\
ab&=&p^2
\end{eqnarray*}

    となる$a,\ b$が存在するかどうかが問題である.

    この第2,第3式を加えることで,$a+b=2p$ $a+b=2p,\ ab=p^2$は第1式も満たす.

    よって,$a$$b$

    \begin{displaymath}
t^2-2pt+p^2=0
\end{displaymath}

    の2解となる.これから」$a=b=p$$p$$0<p<1$なので,$0<a,\ b<1$も満たされている.

    任意の$p\ (0<p<1)$に対して,条件を満たす$a$$b$が存在する.

  2. 同様に考え

    \begin{eqnarray*}
(1-a)(1-b)&=&\dfrac{1}{3}\\
a(1-b)+(1-a)b&=&\dfrac{1}{3}\\
ab&=&\dfrac{1}{3}
\end{eqnarray*}

    とならねばならない.これから$a+b=1$が必要である. $a$$b$

    \begin{displaymath}
t^2-t+\dfrac{1}{3}=0
\end{displaymath}

    の2解となるが,これは実数解をもたない. よって条件を満たす$a$$b$は存在しない.

    解答 8       問題8
  1. 色の変化が起こる場所(電球と電球の間と考えればよい)は$n-1$通りある. 1つの場所で色が変化する確率は青赤か赤青なので

    \begin{displaymath}
\dfrac{1}{2}\cdot\dfrac{1}{2}+\dfrac{1}{2}\cdot\dfrac{1}{2}=\dfrac{1}{2}
\end{displaymath}

    ゆえに1回だけ色が変化する確率は

    \begin{displaymath}
{}_{n-1}\mathrm{C}_1\left(\dfrac{1}{2} \right)^{n-1}
\end{displaymath}

    左端が赤色の場合と青の場合が$\dfrac{1}{2}$ずつなので,求める確率は

    \begin{displaymath}
\dfrac{n-1}{2^n}
\end{displaymath}

  2. 1つの場所で色が変化しない確率も$\dfrac{1}{2}$である. ゆえに$n-1$カ所で色が変化しない確率は $\dfrac{1}{2^{n-1}}$である.

    また1回変化する確率は $\dfrac{{}_{n-1}\mathrm{C}_1}{2^{n-1}}$である.

    したがって色の変化が少なくとも2回起きる確率は,

    \begin{displaymath}
1-\left(\dfrac{n-1}{2^{n-1}}+ \dfrac{1}{2^{n-1}}\right)=1-\dfrac{n}{2^{n-1}}
\end{displaymath}

  3. 同様に考え

    \begin{displaymath}
\dfrac{{}_{n-1}\mathrm{C}_m}{2^{n-1}}
\end{displaymath}

  4. 色の変化の回数を$X$とおく.

    \begin{eqnarray*}
E(X)&=&\sum_{m=1}^{n-1}m\dfrac{{}_{n-1}\mathrm{C}_m}{2^{n-1}...
...mathrm{C}_k\\
&=&\dfrac{n-1}{2^{n-1}}2^{n-2}=\dfrac{n-1}{2}
\end{eqnarray*}

    注意

    二項整数の性質

    \begin{displaymath}
k{}_n {\rm C}_k=n{}_{n-1} {\rm C}_{k-1} \quad (1 \le k \le n-1)
\end{displaymath}

    を用いている.上のように直接計算(これが方法1)してもよいが次のようにも示せる.

    方法2

    二項定理より

    \begin{displaymath}
(1+x)^n=\sum_{k=0}^n {}_n {\rm C}_k x^k
\end{displaymath}

    この両辺を $x$ で微分する.

    \begin{displaymath}
n(1+x)^{n-1}=\sum_{k=1}^n k{}_n {\rm C}_k x^{k-1}
\end{displaymath}

    両辺の $x^{k-1}$ の係数を比較して

    \begin{displaymath}
n{}_{n-1} {\rm C}_{k-1}=k{}_n {\rm C}_k \quad (1 \le k \le n-1)
\end{displaymath}

    方法3

    $n$ 人から $k$ 人の委員とその中の委員長を選ぶ選び方を考える.
    $n$ 人から $k$ 人の委員をまず選び, $k$ 人の中から委員長1人を選ぶ,とすると, ${}_n {\rm C}_k \times k$ 通りの選び方がある.
    $n$ 人から委員長を先に選び,その後 $n-1$ 人から残る $k-1$ 人の委員を選ぶ,とすると, $n \times {}_{n-1} {\rm C}_{k-1}$ 通りの選び方がある.

    \begin{displaymath}
∴\quad k{}_n {\rm C}_k=n{}_{n-1} {\rm C}_{k-1} \quad (1 \le k \le n-1)
\end{displaymath}

    (4)の別解

    確率変数$X_k$

    \begin{displaymath}
X_k=
\left\{
\begin{array}{ll}
1&(k番目の場所...
...目の場所で変化しない)\\
\end{array}
\right.
\end{displaymath}

    で定める.

    \begin{displaymath}
X=X_1+X_1+X_2+\cdots+X_{n-1}
\end{displaymath}

    である.また

    \begin{displaymath}
E(X_k)=0\cdot\dfrac{1}{2}+1\cdot\dfrac{1}{2}=\cdot\dfrac{1}{2}
\end{displaymath}

    である.

    \begin{displaymath}
∴\quad E(X)=\sum_{k=1}^{n-1}E(X_k)=\dfrac{n-1}{2}
\end{displaymath}

    解答 9       問題9

  1. $n=1$のとき,Bが勝つのは, 1を引いて勝つか,または, 0を引いてAの立場になりそこからは確率$p_1$で勝つときである. Aが勝つのは, Bが最初に0を引いて,Bの立場になりそこからは確率$q_1$で勝つときである.

    \begin{displaymath}
q_1=\dfrac{1}{2}+\dfrac{1}{2}p_1,\ p_1=\dfrac{1}{2}q_1
\end{displaymath}

    これを解いて

    \begin{displaymath}
p_1=\dfrac{1}{3},\
q_1=\dfrac{2}{3}
\end{displaymath}

    同様に考え

    \begin{displaymath}
q_2=\dfrac{2}{3}+\dfrac{1}{3}p_2,\ p_2=\dfrac{1}{3}q_2
\end{displaymath}

    より,

    \begin{displaymath}
p_2=\dfrac{1}{4},\
q_2=\dfrac{3}{4}
\end{displaymath}

  2. 同様に考え$n\ge 3$のとき,

    \begin{displaymath}
\left\{
\begin{array}{l}
p_n=\dfrac{1}{n+1}q_n+\dfrac{...
...rac{1}{n+1}p_n+\dfrac{n}{n+1}q_{n-2}
\end{array}
\right.
\end{displaymath}

    2式の辺々加えて計算すると,

    \begin{displaymath}
p_n+q_n=p_{n-2}+q_{n-2}
\end{displaymath}

    となる.$n$が奇数が偶数かで分けて考え,(1)の結果より,

    \begin{displaymath}
p_n+q_n=p_1+q_1=1,\ p_n+q_n=p_2+q_2=1
\end{displaymath}

    である.これから,$q_n=1-p_n$なので,

    \begin{displaymath}
p_n=\dfrac{1}{n+1}(1-p_n)+\dfrac{n}{n+1}p_{n-2}
\end{displaymath}

    これより $(n+2)p_n-np_{n-2}=1\ (n=3,\ 4,\ 5,\ \cdots)$を得る.
  3. (2)より, $n$が偶数のとき, $n=2m$とおくと $2(m+1)p_{2m}-2mp_{2(m-1)}=1$となるので,

    \begin{displaymath}
\sum_{k=2}^m\left\{2(k+1)p_{2k}-2kp_{2(k-1)} \right\}
=2(m+1)p_{2m}-4p_{2}=m-1
\end{displaymath}

    したがって $(n+2)p_n=\dfrac{n}{2}$である.

    同様に $n$が奇数のとき, $n=2m+1$とおくと $(2m+3)p_{2m+1}-(2m+1)p_{2m-1}=1$となるので,

    \begin{displaymath}
\sum_{k=1}^m\left\{(2k+3)p_{2k+1}-(2k+1)p_{2k-1} \right\}
=(2m+3)p_{2m+1}-3p_1=m
\end{displaymath}

    したがって $(n+2)p_n=\dfrac{n-1}{2}+1$である. よって,

    \begin{displaymath}
p_n=
\left\{
\begin{array}{ll}
\dfrac{n}{2(n+1)}&(n:...
...\dfrac{n+1}{2(n+2)}&(n:奇数)
\end{array}
\right.
.
\end{displaymath}

    解答 10       問題10

  1. 太郎君の硬貨が $n$ 枚のときから始めて花子さんの硬貨が0枚になるのは,太郎君がジャンケンに勝って $n+1$ 枚の硬貨になった後花子さんの硬貨が0枚になるか,太郎君がジャンケンに負けて $n-1$ 枚の硬貨になった後花子さんの硬貨が0枚になるか,である.

    \begin{displaymath}
∴  A_n=\dfrac{2}{5}A_{n+1}+\dfrac{3}{5}A_{n-1} \cdots \maru{1}
\end{displaymath}

  2. 題意より $A_0=0,\ A_5=1$ である.
    1から

    \begin{displaymath}
\left \{
\begin{array}{l}
A_{n+1}-A_n=\dfrac{3}{2}(A_n...
...ac{3}{2}A_n=A_n-\dfrac{3}{2}A_{n-1}
\end{array}
\right.
\end{displaymath}

    従って

    \begin{displaymath}
\left \{
\begin{array}{l}
A_{n+1}-A_n=\left(\dfrac{3}{...
...\dfrac{3}{2}A_n=A_1-\dfrac{3}{2}A_0
\end{array}
\right.
\end{displaymath}

    これから

    \begin{displaymath}
\dfrac{1}{2}A_n=\left(\dfrac{3}{2}\right)^nA_1-A_1
\end{displaymath}

    $A_5=1$ より $A_1=\dfrac{16}{211}$

    \begin{displaymath}
∴ A_2=2 \cdot \left(\dfrac{9}{4}-1 \right)\cdot \dfrac{16}{211}=\dfrac{40}{211}
\end{displaymath}

    これがこのゲームで太郎君の勝つ確率である.

    解答 11       問題11

     図のように,点Q〜点Tをとる. 点Pから点Tのそれぞれのところから,柱のある所に行く確率を $p,\ q,\ r,\ s,\ t$とする.

     点Pにいるとき,海に落ちないためには次の一歩でQかRに行かねばならず, QかRに行きつけば,そこから柱のある所に行く確率は$q$$r$である. よって

\begin{displaymath}
p=\dfrac{1}{4}q+\dfrac{1}{4}r
\end{displaymath}

が成り立つ.点Sにいるときは,そこからただちにAにも行けるので,それを考え

\begin{displaymath}
s=\dfrac{1}{4}q+\dfrac{1}{4}r+\dfrac{1}{4}
\end{displaymath}

が成り立つ.他も同様であるから, $p,\ q,\ r,\ s,\ t$に関する連立1次方程式

\begin{displaymath}
\left\{
\begin{array}{l}
p=\dfrac{1}{4}q+\dfrac{1}{4}r\...
...}{4}\\
t=\dfrac{1}{4}r+\dfrac{1}{4}
\end{array}
\right.
\end{displaymath}

が成り立つ.$s$$t$を消去することにより

\begin{eqnarray*}
p&=&\dfrac{1}{4}q+\dfrac{1}{4}r\\
q&=&\dfrac{1}{4}p+\dfrac{...
...\\
&=&\dfrac{1}{4}p+\dfrac{1}{16}q+\dfrac{1}{8}r+\dfrac{1}{8}
\end{eqnarray*}

さらに第1式から$r=4p-q$.これを第2,第3式に代入することにより $p$$q$の方程式

\begin{displaymath}
\left\{
\begin{array}{l}
52p-15q=2\\
-8p+16q=1
\end{array}
\right.
\end{displaymath}

を得る.これを解いて $p=\dfrac{47}{712}$を得る. これがPにいる酔っ払いが海に落ちることなく柱のある所に行く確率である.

【解説】 本問の場合,$n$に関する漸化式を立てる方法も考えられる.

$n$回の試行の後に海に落ちることなく 点P〜点Tのそれぞれにいる確率を $p_n,\ q_n,\ r_n,\ s_n,\ t_n$とする. すると次の連立漸化式が成り立つ.

この連立漸化式の作り方と,解答の連立方程式の作り方の違い, つまり,前に進むか後ろを考えるか,の違いに注意しよう.


\begin{displaymath}
\left\{
\begin{array}{l}
p_n=\dfrac{1}{4}q_{n-1}+\dfrac...
...4}r_{n-1}\\
t_n=\dfrac{1}{4}r_{n-1}
\end{array}
\right.
\end{displaymath}

そして,初期条件が

\begin{displaymath}
p_0=1,\ q_0=r_0=s_0=t_0=0
\end{displaymath}

である.

もしこれで$s_n$$t_n$が求まれば,求める確率は, 何回目かの後,SかTにいて,かつそこからAに行く確率なので,

\begin{displaymath}
\dfrac{1}{4}\sum_{n=3}^{\infty}(s_n+t_n)
\end{displaymath}

となる.

ところが,この連立漸化式が簡単には解けない. このとき,$n$に関する漸化式を立てるという方法の他に, 「ある状態から始めてある結果が出る確率」を文字において, 1回の試行での状態の変化をもとに,確率の連立方程式を立てるという方法がある. これが本問の解答の方法である.

    解答 12       問題12

  1. ただし書きより,題意を満たす円 $C$ の中心が存在する領域 の一つの正方形内部にある部分が,正方形に対して占める比が, 求める確率である. 図3のように
    1. $h>2$ のときは正方形の1つの頂点に対して, 1辺1の正方形の内部が中心の存在しうる範囲.

      \begin{displaymath}
∴ \quad p=\dfrac{4}{h^2}
\end{displaymath}

    2. $2 \ge h\ge 1$ のときは, 円が他の頂点を通る直線と共有点をもたない範囲なので 正方形の1つの頂点に対して, 1辺 $h-1$ の正方形の内部.

      \begin{displaymath}
∴ \quad p=\dfrac{4(h-1)^2}{h^2}
\end{displaymath}

    3. $h>1$ のときは明らかに $p=0$
  2. 同様の理由で,半径 $\sqrt{2}+1$ の円の中心を結ぶ正三角形の内部に占める, 円 $C$ の存在領域の比が求める確率である.

    図2で ${\rm AB}$ の長さを求める.

    \begin{displaymath}
{\rm AB}=2\sqrt{3}(\sqrt{2}+1)-2(\sqrt{2}+1)
=2\cdot\dfrac{\sqrt{3}-1}{\sqrt{2}-1}>1
\end{displaymath}

    したがって円 $C$ が4つの円と交わることはない.

    ${\rm P}$ を中心とする半径 $\sqrt{2}+1$ の円と円 $C$ が共有点をもつのは, $C$ の中心が ${\rm P}$ を中心とする半径 $\sqrt{2}$の円の外部, 半径 $\sqrt{2}+2$の円の内部にあればよい.

    したがって $C$ が3円と交わるのは,図3の斜線の領域に $C$ の中心が 来るときである.この面積を求める.

    領域上の境界の点 ${\rm Q}$ を座標を入れて

    \begin{displaymath}
{\rm Q}((\sqrt{2}+2)\cos \theta ,\ (\sqrt{2}+2)\sin \theta )
\end{displaymath}

    とおく. ${\rm QO}_1$$\sqrt{2}+2$ なので

    \begin{displaymath}
(\sqrt{2}+2)^2=\{(\sqrt{2}+2)\cos \theta ^ (2\sqrt{2}+2)\}^2
+\{ (\sqrt{2}+2)\sin \theta\}^2
\end{displaymath}

    これを解いて $\cos \theta=\dfrac{1}{\sqrt{2}}$ . ゆえに $\theta=\dfrac{\pi}{4}$

    したがって,求める領域を原点から見る角度は $\dfrac{\pi}{6}$ である.

    領域の ${\rm Q}$ など各頂点を結ぶ正三角形の1辺の長さを $x$ とおく. $\bigtriangleup {\rm QOO_1}$ についての余弦定理より

    \begin{displaymath}
x^2=2(\sqrt{2}+2)^2-2(\sqrt{2}+2)^2 \cos\dfrac{\pi}{6}
=2(\sqrt{2}+2)^2 \left(1-\dfrac{\sqrt{3}}{2} \right)
\end{displaymath}

    正三角形の外にある爪形の面積 $s$

    \begin{displaymath}
s=\dfrac{1}{2}\cdot \dfrac{\pi}{6}(\sqrt{2}+2)^2
-\dfrac...
...
=(\sqrt{2}+1)^2 \left(\dfrac{\pi}{6}-\dfrac{1}{2} \right)
\end{displaymath}

    ゆえに求める面積 $S$

    \begin{displaymath}
S=\dfrac{1}{2}\cdot\dfrac{\sqrt{3}}{2}x^2+3s
=(\sqrt{2}+1)^2 \left(\dfrac{\pi}{2}+\sqrt{3}-3 \right)
\end{displaymath}


    \begin{displaymath}
∴ \quad q
=\dfrac{S}{\dfrac{1}{2}\cdot\dfrac{\sqrt{3}}{2}\{2(\sqrt{2}+1)\}^2}
=\dfrac{\sqrt{3}\pi}{6}+1-\sqrt{3}
\end{displaymath}


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Aozora 2017-09-13