現在の教科書では,恒等式の定義を習った段階で,因数定理はまだである.そのため,次の大変重要な基本定理が高校数学から拔け落ちている.
証明
が多項式関数でなければ,成り立つとはかぎらないことにも注意しよう.
史織
関数で
が成り立たない例.
関数で
が成り立たない例.
南海 その通り.一般に周期関数で反例が作れる.
史織 「 .つまり 」と言うところはそれぞれ恒等式として成立ということですね.
南海
その通り.整式 を整式 で割ったとき,商が で余りが なら
ところで,上の恒等式の基本性質によると, 次の整式 に対し, の 個の値
史織
と が同じ値になるとすると
南海 その通り.
さて,となると次の問題が考えられる.
個の値
史織 『青空学園』で見ました.「ラグランジュの補間公式」です.
これは確かに
南海
それではもう一つ.次の今年の京大の問題を,数学的帰納法を用いないで,
ラグランジュの補間公式を用いて解け.
南海 この問題は数学的帰納法と方法を指定しない方がよかった.
とりあえず以上としよう.またわからないことがあれば質問してほしい.
史織 ありがとうございました.