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南海
以下に述べることは,
故栗田稔先生の『初等数学15講』(1990年3月,自費出版)に教えられたことである.
補題 2
とする.また
とおく.このとき
であり.
が成り立つ.
■
証明
補題(1)より
したがって
同様に
ところが
なので
が成立する.□
この補題を用いると,空間図形のいろんな性質が簡明に示される.
いくつか例示する.
命題 2
4つの面の面積が等しい四面体(等積四面体)は,
各面が合同な四面体(等面四面体)である.
■
南海
これは『数学対話』−「等積四面体と等面四面体」で証明したことである.
その別証明を外積を用いておこなう.
証明
四面体で
とし,
とおく.
さらに
とする.
このとき
つまり
である.
注意 1.1
これは一般の四面体で成立する.
四面体の4つの面の面積が
であるから,等積四面体では
が成り立つ.任意の点に対し
で点
を定めると,
より
となる.
この四面体は4辺の長さが等しく正四面体である.
したがって4つの面の面積も等しい.
つまり
ここで補題(2)より
また
この結果
つまり
同様に
となり,四面体は等面四面体である.□
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Aozora
2018-08-31