南海 こういう曲線を外サイクロイドというのだが. そういうときは半径の円の周りを半径の円がまわるとして, 一般的な媒介変数表示を作ればよい.
半径の円を今後基準円,動く円を動円と呼ぶ.
耕一
基準円の中心を,動円の中心をとする.
図のように角とを反時計回りを正の方向にして定めると
光線が点で曲線に接している様子がわかります.
南海 もっと詳しくいろいろ調べることができるので,考えてほしい.
耕一 内側を回転してもいいのですね.
南海 半径の動円が半径の基準円の内側をまわるものだ. 記号の付け方を同様にすると, 方向も考えて となる. したがってベクトル が 軸の正の方向となす角は となり,
,b= なら図のような星形になる.
まとめると,円の周りを回転する円周上の定点の軌跡である外サイクロイドと内サイクロイドは,統一的に次のように媒介変数で表示されることになります.
は正の数,は0でない実数とします.
が正なら半径の基準円に外接して半径の動円がまわるとき,
また
が負なら半径の基準円に内接して半径の動円がまわるとき,
その動円上の点の軌跡の一般的な媒介変数表示は
またが負の時は, の媒介変数表示が, 基準円の半径がのサイクロイドになるので, もまたサイクロイドになります.
南海 それでよいのだが,内サイクロイドに関してすこし注意すべきことがある. のときは基準円と動円が一致する.これは除く. $ \dfrac{b}{a}\ne -1 $ としなければならない.
のときは, となり, 動円上の点の軌跡は基準円の直径そのものになる. これは図を描いてもわかる. これを退化した内サイクロイドといってもよい.このとき動点は直線運動を行う.円運動が直線運動に変わる.これが遊星歯車の原理だ.例えば京都大学総合博物館にこのような模型がある. その動きはまさに直線運動になる.
が負でのときはとなる. そこでで とおくと