まずはもっとも一般的な凸関数を使うものである. (2)の部分は98年大阪市立大学後期試験に出題されている.
解
とする.このとき である.
区間 で平均値の定理を用いると, で
同様に区間 で平均値の定理を用いると, で
で であるから
.つまり
のときは(1)から成立.
個の場合に成立するとし 個の場合に成立することを示す.
とおく. であることに注意する.
よって一般の に対して題意が示された.
で(2)の結果を用いる.
これを および で用いることにより1を示せ.
解
で であるから は で極大かつ最大である.
であるから, 定義域内の任意の に対し が成立する. 等号が成立するのは のときのみである.
つまり,定義域内の任意のに対して
として, に を代入し, をかけて について加える.
注 相加平均,相乗平均の不等式を導くだけなら,はじめから で 示せばよい.これは96年京都教育大学で出題されている.
この方法の優れているところは,数学的帰納法を使うことなく示せることである. 相加平均,相乗平均の不等式を導くために1の形まで示すのは,そうしないと 帰納法ができないからである.