それではまず, のとき,つまり を考えよう.
図1のように が対角線である正方形の各辺が に区切られ,小正方形 に 分けられている.
から への最短経路のうち対角線 より上半分には出ない (対角線に乗るところまでは許される)経路の総数を とする.ただし とする.
を求める方法は二つある.ひとつは技巧的な工夫をするものだ.
解答
不適な場合は必ず対角線を越え出るので, 最初に対角線を越えて到達した点を C とする. C から AB に平行な向きを対称軸として折り返すと, C から B に至る経路が図の に至る経路となる. 逆に, A から に至る経路を最初に上半分の領域に入った点で逆 に折り戻すことにより, B へ一度は対角線を越えてから至る経路となる. このように, A から B へ対角線を越えて至る経路と A から への経路が対応している. したがって, 求める 経路の数は A から B に至るすべての経路の数から上の経路の数を減ずればよい. すなわち,
ここで を求めておこう.
南海 の漸化式は「生成関数の方法」のなかの の漸化式を見てほしい.
一般的な生成関数による方法がある. これは『数学対話』「生成関数の方法」を見てほしい.