書庫扉 next 次: 社寺叢林に坐る

神道論の試み


PDFファイル

神道と聞けば、人はそれぞれに何かが思いがうかぶだろう。歴史的にも紆余曲折を経てきた。 ここではひとまずそれを措いて、私の経験と日本語そのものから改めて神と神道を定義したい。 結論を言えば、日本神道とは、日本語をとおして古来よりいまに伝わる、人が神と語らい生きる道である。

拡大を旨とする資本主義が終焉に向かう段階になって、世界各地に排外主義的極右民族主義がひろがっている。そのなかで、唯一国家権力をにぎるのがこの日本列島での政治である。 それを主導しているのが、かつての国家神道の時代への回帰を掲げる潮流である。その国家神道は、後に示すように、日本神道とは真逆のものである。

そして日本神道は、資本主義の次の時代をきり拓き耕してゆこうとするものの深い智慧でもある。この智慧を、日本語のうちに読みとり神のことを聴きとらねばならない。 これはそのための試論である。


AozoraGakuen
2017-05-21