衆議院選挙は自民党の圧勝で終わった。現状の変革を求める若者の心をつかんだのは、小泉だった。小泉が郵政民営化を争点にしたのに野党はこの争点から逃げた。
300兆円の郵便貯金=国民の金融財産をアメリカ資本に売り渡すな!
小泉改革は日本をアメリカに切り売りするものだ!
社会を変えよう!
日本のを人間の住む国に変革しよう!
をスローガンに野党が統一して闘えば,今回の選挙はまったく違う様相を示した。
しかしこのスローガンは,反小泉だけではなく,アメリカの覇権主義と闘うことを意味する。日米関係をかえることを意味する。民主党は言うにおよばず,その他の野党にも,それだけの決意も覚悟も準備もなかった.戦後60年,国内の擬似的な「平和」の中の野党の限界が明確になった。
結果,この選挙は,アメリカの覇権主義を背景に、断固改革を訴えた小泉の一人勝ちに終わった。
第一に、若者は現状の打破を願い行動に出た。だが、長年の愚民化政策と草の根の保守の影響で、小泉改革の本質は見抜けなかった。野党の腰が砕けた結果、立ちあがった若者票は、力を背景にした小泉に流れた。
第二に、小泉改革は若者の願いを裏切る。今回、小泉に投票した青年層こそ、小泉改革でいちばん打撃を受ける。最終的には憲法をかえ,自民党の戦後政治の総決算を行うところまですすむ。小泉は戦後政治の枠組みを破壊し、国家は破産に直面する。
第三に、だが、破壊なくして変革なし。ファシズムか人間の国かの分岐が問われるときが来る。歴史に無駄はない。今回の選挙とそれに続く数年の事態は,我々にまことに深い教訓をあたえるだろう