日本において近代と資本主義は一体であり、それは明治維新に始まる。だが日本近代はうちからの力で生まれたものではなく、根なし草であり、差別と侵略の世が続いた。中国大陸と朝鮮半島、東北アジア、南太平洋から東南アジア、そして琉球弧と、日本列島に住むものの祖先の地のすべてに兵を進め、非道のかぎりをつくし、そして敗北した。 鬼畜米英を撃てと扇動しておきながら、戦後は一転アメリカに隷属する。アメリカの核戦略のもと地震列島に原発をいくつも作り、ついに福島原発の核惨事に至る。近代における第二の敗戦であった。 それらは総括されることのないまま、いまに至る。そして日本の世は大きく分裂し、深い没落の過程にある。 これは根なし草近代の成れの果てそのものである。この歴史に向きあえ。そして没落の底からこれを越えよ。 歴史はいま、経済を第一とする資本主義の時代から人を第一とする新たな時代への大転換期にあり、人々の協働の力にもとづく新しい世を求めている。これは困難な歴史の段階であり、人のうちからの転換を経なければならない。人は資源ではない。固有の尊厳あるいのちである。人をして人とする言葉を慈しまねばならず、疎かにしてはならない。
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