選挙であった。官僚のいいなりなった菅政権が敗北した。消費税を上げるというがその前にやることがある、無駄を省けという声であった。その上でもう一つ考えるべきことがあると思う。日本は多量のアメリカ国債をもっている。民間と合わせると430〜500兆円といわれる。誰かもし国債をもっていて家計が苦しくなればそれを売って金に換えるのが当たり前である。1988年〜2009年の消費税総額が200兆円とかいわれているので、日本がもつアメリカ国債は消費税半世紀分に近い。これが塩漬けになっている。もちろん現実には民間分は運用中であるし、政府保持分の売却についても政権の決意と細心の注意が必要なのだが、しかし持ちつづけてもこの先ドルが暴落すればアメリカ国債は紙切れになる。
長期の視点として、前から言っているように、アメリカは現代のローマ帝国であり、衰退過程に入った帝国であり、世界は多極化していく。これは避けがたい。アメリカ後の日本のあり方の基本方向、これがまさに国家戦略なのだが、菅政権は国家戦略室を断念し、これをうちだすことを放棄した。問題は簡単だ。アメリカと心中するのかしないのかである。この問題に性根を据えて取り組む政権が生まれるまで、当面混乱と混迷である。
みんなの党は新自由主義、郵政金融資産をアメリカに売り渡すことが使命である。小泉選挙のときもそうであったが、いちばん新自由主義改革でひどい目にあう層が小泉に投票した。今回も比較的若い層が渡辺に投票した。小泉改革とあのときの衆院選挙は悲劇であった、今回のみんなの党は喜劇の終わるだろう。
それはアメリカ内部からも沖縄の海兵隊不要論が公然と出てきたことが傍証である。琉球新報記事:在沖米海兵隊 広がる不要論 下院の重鎮「冷戦の遺物」。世界が多極化するのは事実であり、この事実はアメリカ人もとらえる。また昨日は辺野古で新種の海藻が発見された。朝日新聞記事:辺野古に新種?海藻4種 「埋め立てれば絶滅の恐れ」。沖縄タ記事:辺野古崎に海藻4新種 東京海洋大大葉氏採取。日本政府が腰を据えて交渉すれば海兵隊は出ていく。それをあえてしないのが外務省であり防衛省の官僚機構である。しかしそれでも歴史は紆余曲折を経て進むべき段階にいたる。歴史の動向を見極めながら人それぞれの人生を選びたいものだ。