10年前、9・11の後2001年9月18日、当時の青空学園の掲示板に次のように書いた。
私の手元には「911の真実とは」と題した ReOpen911.org の制作したDVDがある。日本語でも「911の真相は」のようなサイトで疑問点が整理されている。また 9/11 Press for Truthの記録もある。9・11犠牲者の遺族である未亡人女性ら4人は真相究明運動の象徴となっていく。彼女たちのねばり強い活動によってブッシュ前大統領は渋々9・11調査委員会設置に署名するが、調査委員会は大統領府に完全に支配されていた。ドキュメントは、遺族たちの素朴な疑問を解き明かしていく姿を通して、政府首脳がテロを事前に知っており、オサマ・ビンラディンも意図的に逃がされていたという証拠を提示する。いっさい日本のテレビはこのような運動を報道しなかった。
実際のところ、単なるテロでなかったことは確かである。ウィキリークスも911関連のものはいっさい公にされない。それも含めて911の真実が歴史の真実となるまでにまだもう少し時間がかかりそうだ。ただいずれにせよ、911を契機にアメリカが戦争に突き進み、そしてそれがアメリカの決定的な弱体化を招いたことは確かだ。
当時書いた見通しが大きな間違いではなかったことがその後の歴史で証明されている。ベトナム戦争敗北にはじまる帝国アメリカの凋落は、アフガン戦争、イラク戦争で加速され、3年前のリーマンショックに至った。アメリカ政府はギャンブル経済の後始末において、結局のところドルを増刷することしか手が打てなかった。それは問題の解決ではなく先延ばしであり、引き続く経済危機はいつ大きな崩壊を招いてもおかしくない段階に至っている。今では『世界』のような雑誌でも「覇権国家アメリカの凋落」をテーマにする。オバマ大統領は「アメリカは強くなった」と演説しているが、誰もがそのウソを見ぬいている。
そして今アメリカには、茶会運動のように、ファシズムの危機が来ている。次の大統領選挙で共和党右派が勝つ可能性が高い。日本でも、前原政調会長や橋下・維新の会のようにそれに呼応する国内勢力が育っている。アメリカのファシズム大統領と前原が結びつき、ファシズム連合をつくる可能性もある。時代はどこかでファシズムか否かの岐路を迎えるだろう。そんな全体をおさえつつ、若い人は、そしてわれわれ老世代の一人一人はいかに生きるのか。この時代を生きるうえで、失ってはならない一線とは何か。それはどのように表現されるのか。