next up previous 次: あめ 上: あ行 前: あく

あそぶ

あそぶ(遊ぶ)[asobu]←[asofu]←[asuafu]

◯あ(吾[a])が、日頃の生業から離れて、人の中で([afu])ともにする([su])。

◆日常の業から離れた場で、人が集いともに身心動かし、楽しむ。奏楽や歌舞などがよく行われるあそびである。

※タミル語<atu>由来。

▼興のおもむくままに行動して楽しむ。奏楽、歌舞、宴会、行楽、船遊びなど、多岐にわたる。子どもが遊戯する、おとなが運動、行楽、遊興などすることをいう。

▽神楽を行う。 ◇『神楽歌』一五「瑞垣の 神の御代より 篠の葉を 手(た)ぶさに取りて 遊びけらしも」

▽思うことをして心を慰める。詩歌、管弦、舞などを楽しむ。遊楽をする。 ◇『竹取物語』「この子いと大きくなりぬれば、名を…なよ竹のかぐや姫とつけつ。この程三日うちあげあそぶ」

▽行楽、舟遊びなどをする。 ◇『万葉集』一八八〇「春日野の浅茅が上に思ふどち遊ぶこの日は忘らえめやも」 ◇『万葉集』三九九一「思ふどちかくし安蘇婆(アソバ)む」

▽狩猟をする。また、気楽に歩きまわって楽しむ。 ◇『徒然草』二一「山沢にあそびて」

▽(鳥獣、魚などが)楽しそうに動きまわる。 ◇『古事記』下・歌謡一〇八「潮瀬の 波折りを見れば 阿蘇毘(アソビ)来る鮪(しび)が鰭手(はたで)に 妻立てり見ゆ」

▽遊戯やゲームをして楽しむ。特に、子どもの動きについていう。 「よく遊び、よく学べ」

▼仕事、勉強、働きなどをしていない状態にある。 ▽人が仕事をしないでいる。 ◇『狂言記』緡し縄「いや、あそんでさへをれば、なをりまする」

▽金、道具、場所などが使われないでいる。 ◇「遊んでいる金(手)を使う」 ◇「機械が遊ぶ」

▽本来の仕事や義務から離れて、気を別のところに置く。 ◇「遊び心が大切だよ」