【たがやす(耕す)】[tagayasu]←[takaesu]
◆「もの」のできる「場」である「田」を「返す」ことによって、ものがなるようにすること。「たかへす」が古形、「田を返す」から来る。
▼作物を作るために田畑を掘り起こし、すき返して土を柔らかにする。 ◇『今昔物語』「桑田といふは、たかへしおわりて未だ下ろさざる(種をまかない)をいふなり ◇新撰字鏡「冀 耕也 田加戸須」 ◇『お伽草子』二十四孝「かれが孝行を感じて、大象が来って、田をたがやし」
※人間の営みとは、場を耕すことによってものが成るようにする、ことである。人間は「もの」を直接には作らない。「田」を返すことによって豊に「なる」ようにする。「耕す・人」と「場の・田」とそして「そこになる・もの」の三者の相互関係が労働、ひいては人間の営みの基本的な型である。
どのような場で、どのように耕し、何が成るのか、この内容が「文化」である。