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はるか

【はるか(遥か)】[haruka]←[faruka]

■[fa]はh(f)行がこの世界の「は(端)」を意味し、a段がこの世界の外からきて現れることで、[ru]はそれを実現すること。「か[ka」は「住みか」、「ありか」と同じく場所を意味する。 [har]は「はるく(晴)」「はれる(晴)」「はら(原)」などの[har]と同源。

◆あいだに遮るものがまったく無く、そのままずっとかなたの果てまで見通せること。またその様。空間的にも、時間的にも用いる。

▼空間について。 ◇『伊勢物語』一〇二「はるかなる山里に住みけり」 ◇『滑稽本・浮世風呂』三「はるか見ゆるが津の島灘よ」 ◇『枕草子』一〇七「ゆくすゑはるかなるもの」

▼心理的にも用いる。この場合は基本的に心が隔たっていることを表す。 心理的にいちじるしく隔たっているさま。差違のはなはだしいさま。近づきがたく隔たっているさま。奥行のあるさま。深遠。縁遠いさま。また、あえて遠ざけるさま。自分に関係のないものと思うさま。程度がはなはだしいさま。 ◇『大唐三蔵玄奘法師表啓平安初期点』「况や仏教の幽(ハルカニ)微(くは)しきをば」 ◇『源氏物語』蛍「いとはるかにもてなし給ふうれはしさを」 ◇『源氏物語』源氏‐桐壺「大床子の御膳(もの)などは、いとはるかに思し召したれば」 ◇予想をはるかに上回るできばえだ。 ◇『今昔物語』四・二「味はひ遥に変じて悪(あしき)也」 ◇『講談・風流志道軒伝四「其大さ五岳にもはるかまさり」』



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