【あらたまる】[aratamaru]
■[ara]-[tama]-[ru]である。つまり、「新魂る」である。
◆新たに魂がこめられる。
▼物事が新しくなる。古いものが新しいものに替わる。入れ替わる。変化する。
◇『万葉集』一八八五「物は皆あらたまる吉しただしくも人は古りゆくよろしかるべし」」 ◇『古今集』二八「ももちどりさへづる春は物ごとにあらたまれども我ぞふりゆく」 ◇『源氏物語』浮舟「年あらたまりてなにごとかさふらう」 ◇『方丈記』「人の心みなあらたまりて、ただ馬、鞍をのみ重くす」 ◇『徒然草』「花やかなりしあたりも人住まぬ野らとなり、変わらぬ住家は人あらたまりぬ」
▽物事が改善される。前よりもずっとよくなる。面目が一新される。 ◇『枕草子』四九「職の御曹司の西面の『あらたまらざるものは心なり』とのたまへば」
▽ことさらに態度を整えてきちんとする。堅苦しい他人行儀の態度やことばつきになる。◇『浮雲』「改まって外出をする時を除くの外は」 ◇『吾輩は猫である』「『少々先生に御願があって参ったので』と改まる」