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ほ(穂、秀)

【ほ(穂、秀)】[ho]←[fo]

□タミル語<pu>に起源。

◆形または質において、他から拔きん出て優れており、人の目に立つもの。

▼高くひいでているもの。形が他のものに比べて高くとび出していて目につくようなものをいうことも、質がすぐれたものをいうこともある。 ◇「岩ほ」「垣ほ」「ほ倉」「ほつ枝」 ◇「ほつ鷹」「ほつ手」「ほつ真国」 ◇穂高連峰、高千穂峰 ◇『古事記』中・歌謡「国の富(ホ)も見ゆ」 ◇『万葉集』三五五〇「おして否(いな)と稻は舂(つ)かねど波のほのいたぶらしもよ昨夜(きそ)独り寢て」 ◇『万葉集』四〇一一「汝が恋ふるその秀つ鷹は」

▽はっきり目立つさま。 ◇『万葉集』七九「栲(たえ)のほに夜の霜降り」 ◇『万葉集』三二六「見渡せば明石の浦に燭(とも)す火のほにそ出でぬる妹に恋ふらく」◇『源氏物語』宿木「ほにいでぬもの思ふらししのすすき」

▼イネ科植物の穂。稲穂 ◇『万葉集』八八「秋の田の穂の上に霧らふ朝霞いづへの方にわが恋ひ止まむ」 ◇『枕草子』二二七「ほにいでたる田を、人いとおほく見さわぐは、稲かるなりけり」

▽槍・筆などとがっているものの先の部分。尖端。



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