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もうす

【もうす(申す)】[mousu]←[mawosu]

■上代は「まをす」。上代末ごろから、それの変化した「まうす」の形が現れた。

◆「言う」には本来言うことによって相手を支配しようとする意志が含まれている。したがって目上の者に「言う」のは礼を欠くとして、「言う」の謙譲語として言う相手を敬う意味を込めた「申す」が発達した。

さらにその意味を明確にするため「申し上げる」が発達した。ただ、現代では、謙譲の意味を持たず政治的な関係だけを反映する「報告する」などがよく使われるようになっている。

▼相手が、話者に対し支配力を持つが話者の側の実状を知らぬ場合に、実状をうちあけ報告する意味が強く、政治的立場をふまえて公式に言上する場合や改まって報告する場合に多く用いられた。 ◇『古事記』下・歌謡「山城の筒木の宮に物麻袁須(マヲス)」 ◇『万葉集』四二五六「古へに君の三代経て仕へけり吾が大主(おほぬし)は七世申(まをさ)ね」

▽神仏や朝廷など支配者に対し、何かのことを願っていることを知らす。申しあげる。所望申しあげる。 ◇『万葉集』四三七二「もろもろは幸(さけ)くと麻乎須(マヲス)帰り来までに」 ◇『平家集』九「いけずきを申さばやとは思へども」

▽話者が特定されず「世間で…と申しあげる」。 ◇『竹取物語』「又こと所にかぐや姫と申人ぞおはしますらん」



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