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ふへん

【ふへん(普遍)】ものの性質をぬきだし一つの考え方(名辞)として意味が確定するとき、ある性質がその考え方をみたす「すべてのもの」に共通し例外のないこと主張するときと,その性質が「普遍」であるという。 ◇人間(最初の名辞)が言葉を持つ(ある性質)のは普遍だ。 ◇『思い出すことなど』夏目漱石「一糸も乱れぬ普遍の理で」 ◇『日本国憲法』「これは人類普遍の原理であり」−

−【普遍性】すべてのものに通じること、またその内容。 ◇『月に吠える』萩原朔太郎「極めて普遍性のものであって、同時に極めて個性的な特異なものである」 ◇はたらく者としての普遍性と、言葉に規定された固有性。 ◇これは普遍性のある解法だ。

■かつて西洋の中世スコラ哲学で普遍は実体として存在するか、人間の考えの中で存在するだけかをめぐって論爭が行われた。「普遍論争(ドイツ Universalienstreit の訳語)」といわれる。実念論は普遍が個物に先立って存在するとし、唯名論は普遍が個物をあらわす記号にすぎないとして対立した。このような普遍と個別を言葉の同一の水準で論じる論争は永遠に解決しない。

固有性が共存するところ(場)としての普遍性のみが現実的である。しかし、その可能性はそれを実現する言葉なくしては現実のものとはならない。


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