【人生(じんせい)】
人が生きること。人が生きるとき。人間の生命、が字義。「何のための人間の命か」という反省を踏まえるとき、この言葉は「人間としての意味をもってこの世に生きて存在する」ことを意味する。
▼人のいのち ◇『地蔵菩薩霊験記』一・五「即時に剃髪して芝の戸を閉ぢ人生の虚なることを観じ不変常住の月を玩吟して一向の行者となりしが」
▼人がいのちを保ち、生きているあいだ。人間がこの世に生きている期間。人の一生。人の生涯。 ◇人生五十年。短い人生。 ◇「人生七十古来まれなり」(杜甫の詩の一節から) ◇『思出の記』徳富蘆花「所謂人生の春は、一歩進めば後は直ぐ霞になってしまふ」
▼人間がこの世に生きて行くこと。人間の生活や生き方。この世での人間の生活。 ◇苦難の人生。人生の目的 ◇人生意気に感ず。 ◇『社会百面相』内田魯庵「汝(きさま)美が如何ぢゃの人生が如何ぢゃのと堕落坊主の説教染みたことを言ひくさるが」 ◇『黄昏に』土岐哀果「『養生の金も無くなりぬ、人生がつまらなくなりぬ』と、真面目に、わらへり」