【しんり(真理)】ま(真)−ことわり。人が、もののことを明らかにしようとして、ものの内にあることわりに合致したことを、のべること。またそののべられた内容。人の計らいをこえたことわりそのもの。 ◇『卍庵仮名法語』「工夫純一ならば、真理現前して脚下無私ならん」 ◇『明治文学管見』北村透谷「聊か真理を愛するの心より」 ◇『侏儒の言葉』芥川龍之介「詩人は何ものよりも先に高々と真理をうたひ上げた」 ◇『実践論』毛沢東「真理の基準はただ社会的実践でしかありえない。実践という観点は、弁証法的唯物論の認識論の第一の、そして基本的な観点である。」
■いわゆる科学において、人が考えるのはつねに個別のもののことであり、得られる真理もまたつねに部分的である。その意味で真理はつねに具体的であり、相対的である。相対的な真理の総ての和が絶対的な真理である。しかしそれは、科学のおのおのの発展段階によって相対的な真理があらたに付け加わって、かぎりなく、絶対的真理という総和に新しい粒をつけ加える。しかしおのおのの科学的命題の真理の限界は相対的であって、知識のいっそうの成長によって、あるいは拡大され、あるいは縮小される。われわれは知識の相対性を、真理の否定という意味で認めるのではなく、われわれの知識がこの真理に近づいていく限度が歴史的に条件づけられているという意味で認める。