を2次式とする.整式はでは割り切れないが, はで割り切れるという. このとき2次方程式は重解を持つことを示せ.
解1
は2次式なので,
整式をで割った余りは1次以下の整式である.
商を,余りをとする.
はで割り切れないので右辺は定数0ではない.
つまりである.よっては
解2
の解をととし,
このときとは互いに素である. よって任意の整式についてがで割りきれることと, がで割り切れかつで割り切れることが同値である.
もしが因数をもたなければ, 整式における素因数分解の一意性によって, も因数をもたない. よってもしが因数をもてば, が因数をもつ.
はで割り切れるので, が因数とをもち, その結果が因数とをもつ.
ところがこれはがで割りきれることを意味し,仮定と矛盾する. よってであり,2次方程式はを重解にもつ. □