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問題
を1以上の整数とする. 次の整式
とその導関数 の間に
という関係があるとする.ただし, は定数である.このとき,
であることを示せ.
方針
-
- 1.
- 次整式を回微分すると定数になる.
微分によって関数等式がどのように変わるか,
両辺微分して整理する.
- 2.
- 関数等式から係数の関係式を導く.
一方,
結論からさかのぼるとがどのようになってほしいかわかるので,
数学的帰納法で示す.
- 3.
- 関数等式は微分方程式そのものである.
これを解くにはいちど積分すればよい.
解1
関数等式
の両辺をで微分する.
よって,
同様に,
よって,1からnをすべてかけあわせると
ここで,
なので
解2
であるから,
のとき, の係数は,
と比較して,
について
となることをについての数学的帰納法で示す.k=0 のときはそのまま成立する.
と仮定すると, 上式より,
また,
よってすべてので
となる.
解3
より
これから
が定数となる.は整式なので
となる定数がある.の係数を比較して.
吟味
-
- 1.
- 条件をどのように使ったかをおさえておこう.
関数等式を微分し整理するところでは,
回微分可能であることのみ整式であることを使う.
は最高次の係数がの整式であることを使う.
- 2.
- これはが整式であることを最初から使っている.
- 3.
- と表されるところまでは,
整式であることは使っていない.
初期条件は,整式であることを前提としている.
のように与えられれば,整式であることは使わない.
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