例えば があり, 角の対辺の長さが であるとする. 各辺の長さと角の大きさの間に余弦定理 が成り立つことを証明しようとする. まず,一つの について が成り立つことが示せたとする. すると,他の なども必然的に成り立つ.
なぜだろうか. 証明の過程ですべての文字について の置き換えをすれば,それに対応して対辺の長さも に置き換わる. したがって, を示したのとまったく同じ論証の過程を経て が示される.
いくつかの文字を含む条件から ある結論を引き出したとする. すると,文字を規則正しく置きかえた結論は 「同様に示される」. 「同様に示される」ことを活用して証明を簡略化できる. これも文字という考え方のもつ大きな力である. この考え方はすでに例題(2.1)の 解答3において用いている.
,および同様に得られる2式この論述でも三文字を と順に入れ替えた結論については 「同様に」ということで済ませている.
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例題 2.4 [03年京大]
四面体OABCは次の2つの条件
(i)
(ii) 4つの面の面積がすべて等しい
考え方 どの文字についても対称性がある. つまり,どの頂点に関しても同じ条件である. このような場合一つの頂点を始点にとって示せたなら 同じ論証はくりかえさなくても,文字を置きかえて得られる結論は, 「同様に」とすることで,くりかえさなくてもよい.
解答
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とおくと, 条件(i)より