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条件と結論の分析

同値ということ

例えば 点$\mathrm{P}$に関する条件$p$を 「点$\mathrm{P}$が直線 l $x+2y-5=0$上にある」,条件 $q$を「点$\mathrm{P}$と原点の距離は$\sqrt{5}$以上である」としよう. このとき原点と直線 l との距離が$\sqrt{5}$なので,$p$が成立すれば必ず $q$ が成立する.

\begin{eqnarray*}
p \Rightarrow q&のとき,&pはqの十分条件であるといい,\\
q \Ri...
... かつ\ q\Rightarrow p&のとき,&
pはqの必要十分条件であるという.
\end{eqnarray*}

$p$$q$ の必要十分条件であるとき,

\begin{displaymath}
p\ と\ q\ は互いに{\bf 同値である}
\end{displaymath}

ともいい,$p \iff q$ と書くことが多い.

数学の論証では,さまざまの条件についてそれらが同値であるかどうかを 確認することが基礎である.同値な命題は同等の価値がある.

同値変形とは

$p$が等式や命題(等式も命題だが)であるとき, $p \iff q$と同値関係を 保って別の等式や命題 $q$ に変形することを同値変形という. 方程式 $x-\sqrt{x-1}=3$ を同値変形を活用して解いてみよう.

\begin{eqnarray*}
x-\sqrt{x-1}=3&\iff&x-3=\sqrt{x-1}\\
&\iff&(x-3)^2=x-1\ かつ\...
...0=0\ かつ\ x\ge3\\
&\iff&(x-2)(x-5)=0\ かつ\ x\ge3\\
&\iff&x=5
\end{eqnarray*}

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