整数問題などでは, 条件を満たすすべての整数や整数の組を求める問題では, 何らかの必要条件で範囲を絞ることが出来れば, その範囲にある整数は有限個となり, 後は一つ一つ調べるという方法が基本である.
をみたすすべての に対して が成り立つために,定数 がみたすべき条件を求めよ.
考え方 一定の条件を満たすすべての と に対してつねに成立する条件を求めよ ということだが,すべてで成立するものを直接さがすのは困難なときがある.
そのときどうするか.いくつかの特別な と の値で試してみるだろう. 条件を決めるべき定数は と の二つなのだから,二組の と の値 で試せばある程度のことはわかる.
それから逆にその条件の下でつねに成立することを示せばよい.それが次の解答だ.
解答
のとき
例題 1.5 [99京大後期文系]
3次関数 のグラフを考える. 連立不等式 が表す領域を とする. のどの点からも上の3次関数のグラフに接線が3本引けるための, についての必要十分条件を求めよ.
その上で,領域がそこに含まれるためのに関する条件を求める. そのときに,必要条件で絞り,それが十分条件でもあることを示すのである.
解答
とする.
平面上の点からへ3本の接線が引けるために,
が満たすべき条件を求める.
点からへの接線の接点の座標をとする.
から,の上の点における接線は
求めるべきの条件はとなることである.
領域 が第4象限にあるので,の点の座標は正である.
が正のときなので,
のうち座標が正の領域は
求める必要十分条件はである. □