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問題

1.16       [99上智・理工]     考え方1.16     解答1.16

漸化式 $a_1=4,\ a_{n+1}=3{a_n}^2+4a_n+3\ (n=1,\ 2,\ \cdots)$ で定まる 整 数列 $\{ a_n \}$ を考える.

(1)
$a_n-4$ が7で割り切れることを証明せよ.
(2)
${a_n}^2+a_n+1$$7^n$ で割り切れることを証明せよ.
(3)
正整数 $p$ について, ${a_n}^{3p}$$7^n$ で割った余りを求めよ.

1.17   [出典不明]     考え方1.17     解答1.17

$n$を自然数とし,$x$の関数$f_n(x)$ $f_n(x)=\dfrac{1}{2}\left(x^n+\dfrac{1}{x^n}\right)$で定める.

  1. $t=\dfrac{1}{2}\left(x+\dfrac{1}{x}\right)$とすると,$f_n(x)$$t$$n$次の 整数係数の整式$T_n(t)$になることを示せ.また,$T_n(t)$$t^n$項の係数を求めよ.
  2. 実数$\theta$に対し, $T_n(\cos \theta)=\cos(n \theta)$が成り立つことを示せ.

1.18       [阪大過去問]     考え方1.18     解答1.18

$p,\ q$ は正の整数とし,二次方程式 $x^2-px-q=0$ の二つの実数解を $\alpha,\ \beta$ とする. $A_n=\alpha ^n+\beta ^n$ とおくとき,すべての正の整数 $n$ について 次のことがなりたつことを示せ.

(1)
$A_n$ は整数である.
(2)
$A_{3n}-{A_n}^3$ は3で割り切れる.

1.19       [作成問題]     考え方1.19     解答1.19

  1. 関数$y=\log x$が上に凸な関数であることを用いて, $p+q=1$である正の定数$p,\ q$と正の数$x,\ y$に対して, 次の不等式が成立することを示し,等号が成立する場合を述べよ.

    \begin{displaymath}
x^py^q\le px+qy
\end{displaymath}

  2. $p_1+p_2+\cdots+p_n=1$を満たす正の定数 $p_1,\ p_2,\ \cdots,\ p_n$と 正の数 $x_1,\ x_2,\ \cdots,\ x_n$ に対して, 次の不等式が成立することを示し,等号が成立する場合を述べよ.

    \begin{displaymath}
x_1^{p_1}x_2^{p_2}\cdots x_n^{p_n}\le
p_1x_1+p_2x_2+\cdots+p_nx_n
\end{displaymath}

1.20       [99滋賀医大]     考え方1.20     解答1.20

$\displaystyle a_n=\sum_{k=1}^nk^2$ とおく.自然数 $m$ に対して

\begin{displaymath}
m^3\le a_n\le (m+1)^3
\end{displaymath}

が成り立つような $a_n$ の個数を $c_m$ とする. このとき,次のことを証明せよ.
(1)
すべての自然数 $m$ に対して $c_m\ge 1$ である.
(2)
すべての自然数 $m$ に対して $c_m\le 2$ である.

1.21       [01横浜市大]     考え方1.21     解答1.21

実数 $\beta>1$ に対して関数 $f(x)$

\begin{displaymath}
f(x)=\beta x-[\beta x]
\end{displaymath}

で定義する.ここで実数 $y$ に対して $[y]$$m\le y<m+1$ を満たす整数 $m$ を 表す.すなわち, $[y]$$y$ を越えない最大の整数である. 関数 $f_n(x),\ d_n(x)\ (n=1,\ 2,\ 3,\ \cdots)$ をそれぞれ

\begin{eqnarray*}
f_1(x)=f(x),&f_{n+1}(x)=f(f_n(x)),\\
d_1(x)=[\beta x],&d_{n+1}(x)=[\beta f_n(x)]
\end{eqnarray*}

で定義する. $x$ の範囲を $0 \le x \le 1$ とするとき,つぎの問いに答えよ.
(1)
すべての $n=1,\ 2,\ 3,\ \cdots$に対して

\begin{displaymath}
0\le d_n(x)\le [\beta]
\end{displaymath}

が成り立つことを証明せよ.
(2)
すべての $n=1,\ 2,\ 3,\ \cdots$に対して

\begin{displaymath}
f_n(x)=\beta^nx-\sum_{k=1}^n\beta^{n-k}d_k(x)
\end{displaymath}

が成り立つことを証明せよ.
(3)

\begin{displaymath}
\lim_{n \to \infty} \left\vert x-\sum_{k=1}^n\dfrac{d_k(x)}{\beta^k}\right\vert=0
\end{displaymath}

を証明せよ.

1.22       [04東大理系]     考え方1.22     解答1.22

関数 $f_n(x)\ (n=1,\ 2,\ 3,\ \cdots)$を次のように定める.

\begin{displaymath}
\begin{array}{l}
f_1(x)=x^3-3x\\
f_2(x)=\{f_1(x)\}^3-3f_1(x)\\
f_3(x)=\{f_2(x)\}^3-3f_2(x)
\end{array}\end{displaymath}

以下同様に,$n\ge 3$に対して関数$f_n(x)$が定まったならば,関数$f_{n+1}(x)$

\begin{displaymath}
f_{n+1}(x)=\{f_n(x)\}^3-3f_n(x)
\end{displaymath}

で定める.

このとき以下の問いに答えよ.

  1. $a$を実数とする.$f_1(x)=a$を満たす実数$x$の個数を求めよ.
  2. $a$を実数とする.$f_2(x)=a$を満たす実数$x$の個数を求めよ.
  3. $n$を3以上の自然数とする.$f_n(x)=0$を満たす実数$x$の個数は$3^n$ であることを示せ.

1.23       [02京大後期理系]     考え方1.23     解答1.23

$f(x)$$x^n$ の係数が1である $x$$n$ 次式である. 相異なる $n$ 個の有理数 $q_1,\ q_2,\ \cdots,\ q_n$に対して $f(q_1),\ f(q_2),\ \cdots,\ f(q_n)$がすべて有理数であれば, $f(x)$ の係数はすべて有理数であることを,数学的帰納法を用いて示せ.

1.24       [86京大文理]     考え方1.24     解答1.24

すべては 0 でない $n$ 個の実数 $a_1$$a_2$$\cdots$$a_n$ があり, $a_1\le a_2\le \cdots \le a_n$ かつ $a_1+a_2+\cdots+a_n=0$ を満たすとき, $a_1+2a_2+\cdots+na_n>0$ が成り立つことを証明せよ.

1.25       [作成問題]     考え方1.25     解答1.25

(1)
正の実数 $a_0,\ a_1,\ \cdots,\ a_n$ に対して

\begin{displaymath}
a_nx^n-a_{n-1}x^{n-1}-\cdots-a_1x-a_0=0
\end{displaymath}

は正の解をただ一つもつことを示せ.
(2)
1の正の解を $r$ とする.このとき1の他の解 $\alpha$ はすべて $\vert\alpha\vert\le r$ をみたすことを示せ.
(3)
$0<A_0<A_1<\cdots<A_n$である実数に対し,方程式

\begin{displaymath}
A_nx^n+A_{n-1}x^{n-1}+\cdots+A_1x+A_0=0
\end{displaymath}

の解 $\alpha$ はすべて $\vert\alpha\vert\le 1$ をみたすことを示せ.


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