次 上 前 次: 2. 東大前期理系 上: 2. 解答 前: 5.

6.

$\alpha=\cos\theta+i\sin\theta$ とおく.条件から

\begin{displaymath}z_{n+1}-z_n=\alpha(z_n-z_{n-1})
\end{displaymath}

である. したがって

\begin{displaymath}z_{n+1}-z_n=\alpha^n(z_1-z_0)=a\alpha^n
\end{displaymath}

$\alpha\ne 1$ であるから

\begin{displaymath}z_n=z_0+\sum_{k=0}^{n-1}a\alpha^k=\dfrac{a(1-\alpha^n)}{1-\alpha}
\end{displaymath}

題意を満たす n が存在することは $1-\alpha^n=0$となる n が存在することと 同値である.

\begin{eqnarray*}1-\alpha^n=0&\iff&\cos n\theta+i\sin n\theta=1\\
&\iff&n\theta=360^{\circ} \cdot k となる k が存在する
\end{eqnarray*}

このような k が存在するような n が存在すれば $\theta=360\cdot\dfrac{k}{n}$ となり,$\theta$ は有理数である. 逆に$\theta$ が有理数であるとし, $\theta=360\cdot\dfrac{p}{q}$とおく. $n\theta=360\cdot k$ $n\cdot\dfrac{p}{q}=k$ である. これを満たすk がとれる n としてn=qが存在する.実際k=p が条件を満たす. よって題意が示された.

AozoraGakuen
2002-03-01