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2. 東大前期理系

昨年,これまでの東大入試数学にあった複雑な計算問題や煩瑣な場合分けは出題されず,代わって 「論理・論証」が文理とも出題された.明確な論証能力を問うものであった.日常的で具体的な問題 に対して数学的なモデルを立て,それに基づいて論証するという,数学本来の考える力が問われた.

この傾向は今年より明確になり,計算はさらに簡単に,また基本問題が出題されるようになった. このような傾向を積極的に理解すれば,受験生に対する東大からのメッセージであり,その意味は 「数学本来の勉強に立ち返れ」ということである. 実際、「受験数学を学問として正面から学び,考える力をつける」,という青空学園数学科の方針どおり, 論証問題を中心に日頃から本格的に考え勉強してきた人には,ほぼすべて解答できる問題であった.

その意味で,出題者の意図は明確であったが,やはり何か新しい事実を提供する出題がほしかった. 3番は数年前の旧課程時代の空間座標に慣れていた高校生には簡単だし,6番は合同式の考え方の 応用として昔から知られたことである.


 
AozoraGakuen
2002-03-01