2017年入試問題研究に戻る

阪大理系1番解答

(1) 点$\mathrm{A}$における$H$の接線は$x=-1$である. $t\ne 0$より$s\ne \pm 1$であるから,直線$\mathrm{BC}$の方程式は \[ y=\dfrac{t}{s-1}(x-1) \] である.よって,$\mathrm{P}$の座標は \[ \left(-1,\ \dfrac{-2t}{s-1} \right) \] である.

(2)  点$\mathrm{C}$における$H$の接線の方程式は \[ sx-ty=1 \] である.$\mathrm{C}$は$H$上の点なので$s\ne 0$である.直線$\mathrm{AB}$は$x$軸なので,$\mathrm{Q}$の座標は \[ \left(\dfrac{1}{s},\ 0 \right) \] である.

(3)  点$\mathrm{B}$における$H$の接線は$x=1$である. 直線$\mathrm{BC}$の方程式は \[ y=\dfrac{t}{s+1}(x+1) \] であるので,$\mathrm{R}$の座標は \[ \left(1,\ \dfrac{2t}{s+1} \right) \] である.よって \begin{eqnarray*} \overrightarrow{\mathrm{QP}}&=& \left(-1-\dfrac{1}{s},\ \dfrac{-2t}{s-1} \right)= \left(-\dfrac{s+1}{s},\ \dfrac{-2t}{s-1} \right)\\ \overrightarrow{\mathrm{QR}}&=& \left(1-\dfrac{1}{s},\ \dfrac{2t}{s+1} \right)= \left(\dfrac{s-1}{s},\ \dfrac{2t}{s+1} \right) \end{eqnarray*} ここで \begin{eqnarray*} &&-\dfrac{s+1}{s}\cdot\dfrac{2t}{s+1}-\dfrac{-2t}{s-1}\cdot\dfrac{s-1}{s}\\ &=&-\dfrac{-2t}{s(s+1)(s-1)}\left\{(s+1)(s-1)-(s-1)(s+1) \right\}=0 \end{eqnarray*} より,$\overrightarrow{\mathrm{QP}}\parallel \overrightarrow{\mathrm{QR}}$である. つまり3点$\mathrm{P,Q,R}$は一直編上にある.

研究課題  双曲線$H$上に3点$\mathrm{A,B,C}$がある。 点Aでの$H$の接線を$l_{\mathrm{A}}$, 点Bでの$H$の接線を$l_{\mathrm{B}}$, 点Cでの$H$の接線を$l_{\mathrm{C}}$とする. $l_{\mathrm{A}}$と直線BCが交わるとし,交点をPとする. $l_{\mathrm{C}}$と直線ABが交わるとし,交点をQとする. $l_{\mathrm{B}}$と直線ACが交わるとし,交点をRとする. このとき3点$\mathrm{P,Q,R}$は一直線上にある. これは楕円、放物線でも成り立つ,二次曲線の定理である.
 詳しくは『数学対話』のなかの「パスカルの定理」,とくに「特別な場合の演習問題」を参照のこと.

問題