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射影幾何の構造

写像と変換

デザルグやパスカルが見出した射影幾何を,その土台から再構成する.そのためにまず一定の射影幾何の公理を設定し,そこから論を進めてきた.一方,同次座標をもちいて,この射影幾何の公理をみたすモデルを構成することができた.

もちろんここで, 公理を満たすが同型とはいえないモデルがあるのか,という問題が生まれる. 射影幾何は体と次元を決めれば,基本的にこのモデルと同型であることを証明する. この事実を示すためには,さらに一般的に射影幾何に関する考察を深め, 射影幾何から逆に体を構成し,同次座標を射影幾何の内部から定義しなければならない.

ところで集合$E$の要素に集合$F$の要素を対応させる規則,これが$E$から$F$への写像である. 配景写像とその合成としての射影写像を定義した. これらはあくまで部分空間から部分空間への写像である.写像のうち同じ集合間の写像を変換という.射影空間をより高次な空間に埋め込めることを示し射影変換を定義する.以下においては,同じ集合の間の写像であることが意味をもつ場合は「変換」を用い,その他の一般の場合は「写像」を用いる.



2014-01-03