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双対命題など

ブリアンションの定理

$P^2$におかれた円錐曲線に関するパスカルの定理の 双対命題は次のようになる. 命題自体は双対原理によってパスカルの定理から成立する.

命題 96        二次曲線$Q_2^1$は定義30によるものとする. 平面$P^2$上の6直線 $l_i\ (1\le i \le 6)$
(i)
一つの正則な二次曲線$Q_2^1$に接している.
(ii)
2つの線束に属する.
のいずれかが成り立つための必要十分条件は,3直線

\begin{displaymath}
(l_1\cap l_2)\vee(l_4\cap l_5),\
(l_2\cap l_3)\vee(l_5\cap l_6),\
(l_3\cap l_4)\vee(l_6\cap l_1)
\end{displaymath}

が共点であることである. ■


二次曲線$Q_2^1$が正則な場合のこの双対命題を ブリアンションの定理という. ブリアンションは1806年,二次曲線$Q_2^1$が正則な場合にパスカルの定理の双対命題としてこれを得た. パスカルの定理から150年後のことであった.

パップスの定理

パスカルの定理の証明のうち, 複比による証明と代数的な証明は二次曲線が正則であることは用いていない.つまり,$Q$として2直線$l_1$$l_2$の方程式の積で定まる曲線とできる.これがパップスの定理である.

パップスの定理再掲

     直線$l_1$上に異なる3点 $a_1,\ b_1,\ c_1$をとり, と 直線$l_2$上に異なる3点 $a_2,\ b_2,\ c_2$をとる.

     直線$a_1b_2$と直線$b_1a_2$ の交点を$p_1$, 直線$b_1c_2$と直線$c_1b_2$ の交点を$p_2$, 直線$c_1a_2$と直線$a_1c_2$ の交点を$p_3$とする.

     このとき3点 $p_1,\ p_2,\ p_3$ は一直線上にある. ■

2直線の方程式の積から作られる方程式を$f(X)$とし, 二次曲線$f(X)=0$を考えることで, 複比による証明と代数的な証明がそのまま適用される.


2014-01-03