をオイラーの関数という. は自然数を定義域とする関数である.
が素数ならば,明らかに
を法とする合同関係による商集合は
個の要素からなる集合であった.
したがって「剰余類 が と互いに素である」ということが意味を持つ. と互いに素な剰余類 を既約類という.またすべての既約類の 代表の一組を既約剰余系という.既約類は個ある.
整数で定義された関数 が互いに素な二つの整数とに
対して
証明 を法とする既約類 , を法とする既約類 をとる.
集合
さらにこれは既約類である.
なぜならもし が と互いに素でないとする. と が互いに素なので
または と互いに素でない. と互いに素でないとする.
ここで
なる をとると
つぎに を法とする任意の既約類 をとる. と が互いに素なので となる が存在する. ゆえに既約類 は既約類 と既約類 から上の方法で作られる. したがって を法とする既約類 と を法とする既約類 の一組と を法とする既約類 は一対一に対応する. この組は 個あるのでが示された□
これが基本的な事実である.この証明は剰余類の定義にたちかえって行った. なお中国の剰余定理13を用いれば証明は簡明である.すなわち次のようになる.
別証明
いま
および
をそれぞれ と を法とする既約剰余系の一組とする.
個の組合せの一つ
に対して
逆に とすると,(2.20)となる が一意に決まる. ゆえに を法とする既約代表の一組の各数 と の組の 間に一対一の対応が成り立つ.したがってが示された.□
は次の定理によって計算される.
証明 定理17から
は が を割り切ることを意味する記号であった. のときもである. と書けば,和は のすべての約数(1も も含む)にわたるものとする.
証明 を の約数として, 1から までの数 で, となるものは 個ある.
なぜなら
1から までの数 は の値が等しいものに分類できるので