証明
法 に関する剰余のうち より大きいものについて,
それから を引くと,絶対値において より小さい剰余を得る.
を法とする剰余をこのように絶対値で最小になるようにとると,
はそのうち負な剰余の個数である.
(3.5)の数の絶対値最小な剰余は
定理33のガウスによる第三証明
先に二つの補充則を示さなければならない.
第一補充則の証明.
オイラーの規準を で用いると得られる.
ガウスの予備定理を で用いる.(3.5)の数は
相互法則の証明.
平面上に点 と をとり点 とする.
直線 を引く.点 とする. の内部で直線上に格子点はない. さて, として, を で割った絶対値最小剰余を とする.直線 と直線 の交点が で, は 直線 上の格子点で にもっとも近いものとの距離になり. この格子点が より上にあるとき は負である.
ガウスの予備定理を で考えると,そこにおける は各 に対して 直線 上 より上にあり,距離が より小さい格子点の個数である. いま直線 を 軸の正の方向に だけ平行移動した直線を する. は平行四辺形 の内部にある格子点の個数である.
同様にガウスの予備定理で となる は 直線 を 軸の正の方向に だけ平行移動した直線を とするとき,平行四辺形 の内部にある格子点の個数である.
における は この二つの平行四辺形の内部にある格子点の個数である.小四角形 を付け加えて 六角形 の内部の格子点の個数もやはりである. 六角形 は の中点 を対象の中心として点対称である. したがって六角形 内の格子点は が格子点であるときはこれを除いて その他の格子点は対象の中心に関して二つずつ組になっている.
したがって が奇数であるか偶数であるかは, 点 自身が格子点であるかないかによって決まる. つまり が奇数であるのは, , がともに整数 となるときにかぎる. なので,これは がともに奇数になることと同値である.
これで相互法則が証明された.□
相互法則その他を活用して と が与えられたとき, の値を計算することができる.