証明 数列 の定義から
一方, より, .
したがって
また,
ここで
を乗じて
他方,明らかに
.よって
を任意の偶数とする.同様に
したがって
各
のことを の 近似分数 という.
無理数 を近似する分数 が, なるどんな分数
に対しても
証明 一般に正の数 に対し, 二つの分数 で であるものを考える. このとき二つの分数は既約で,両分数の差は である.
この二つの分数の間にある任意の分数 をとる.
そこで
ここで分数 が
すなわち は最良近似分数である. □
次の定理は「ペル方程式の解の存在」の定理58に対する別証明になっている. ここで と の関係を定理58の逆にしている. 定理58では との関係で を考えた.ここでは無理数 を座標上の格子点 で と近似することを考えるので を考察する.
定理58(再掲)
が与えられた無理数とすると
証明
定理49の証明より,
すなわち, は条件を満たす. は無数に取ることができ,各近似分数は既約で は異なるので, 実際に無数の組が存在する.□