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演習問題

問題 21   解答21    [03名大改題(3)追加]

$n$を自然数とするとき,$m\le n$$m$$n$の最大公約数が1となる自然数$m$の個数を$f(n)$とする.

(1)
$f(15)$を求めよ.
(2)
$p,\ q$を互いに素な素数とする.このとき$f(pq)$を求めよ.
(3)
$p$を素数,$e$を自然数とする.このとき$f(p^e)$を求めよ.
問題 22   解答22     [06横浜市大2番]

$N$を自然数とし,$\phi(N)$$N$より小さくかつ$N$と互いに素な自然数の総数とする.すなわち

\begin{displaymath}
\phi(N)=♯\{n\ \vert\ n は自然数,1\le n <N,gcd(N,\ n)=1\ \}
\end{displaymath}

で,オイラー関数と呼ばれている.ここに$gcd(a,\ b)$$a$$b$の最大公約数を,$♯A$は集合$A$の要素の総数を意味する.例えば,
\begin{displaymath}
\phi(6)=♯\{1,5\}=2,\ \phi(15)=♯\{1,2,4,7,8,11,13,14\}=8
\end{displaymath}

である.このとき以下の問いに答えよ.

  1. $p$$q$を互いに異なる素数とし$N=pq$とおく.
    1. $N$より小さい自然数$n$で, $gcd(N,\ n)\ne 1$となるものを全て求めよ.
    2. $\phi(N)$を求めよ.
  2. $p$$q$を互いに異なる素数とし$N=pq$とおく. 今$N$$\phi(N)$あらかじめわかつているとき$p$$q$を解としてもつ二次方程式を$N$$\phi(N)$等を用いて 表せ.
  3. $N=84773093$および $\phi(N)=84754668$であるとき,$N=pq\ (p>q)$となる素数$p$および$q$を求めよ(求めた$p$および$q$が素数であることを示さなくてよい).

    ただし,必要に応じて以下の数表を使つてもよい.

    \begin{displaymath}
\begin{array}{l}
320^2=102400\,; 322^2=103684\,; 324...
...6^2=106276\,; 328^2=107584\,; 330^2=108900
\end{array}
\end{displaymath}

問題 23   解答23     [95 京大文系後期]

自然数 $n$ の関数 $f(n),\ g(n)$

\begin{eqnarray*}
&&f(n)=n\mbox{を}7\mbox{で割った余り}\\
&&g(n)=3f\left(\sum_{k=1}^7k^n\right)
\end{eqnarray*}

によって定める.
(1)
すべての自然数 $n$ に対して $f(n^7)=f(n)$ を示せ.
(2)
あなたの好きな自然数 $n$ を一つ決めて $g(n)$ を求めよ. その $g(n)$ の値をこの設問(2)におけるあなたの得点とする.
問題 24   解答24     [東京農大]

$p$を素数,$n$$p$で割り切れない自然数とし,1から$p-1$までの自然数の集合を$A$とおく.

(1)
任意の$k\in A$に対し,$nk$$p$で割った余りを$r_k$とする. このとき,集合 $\{r_k\ \vert\ k \in A\}$$A$と一致することを示せ.
(2)
$n^{p-1}-1$$p$で割り切れることを示せ.
問題 25   解答25     [奈良女子大改題]
(1)
素数$p$$1\le r\le p-1$なる整数 $r$に対して, 二項係数についての等式 $r{}_p\mathrm{C}_r=p{}_{p-1}\mathrm{C}_{r-1}$ を証明し, ${}_p\mathrm{C}_r$$p$ の倍数であることを示せ.
(2)
素数 $p$ に対して $2^p$$p$ で割った余りを求めよ.
(3)
自然数 $n$ に対して $n^p$$p$ で割った余りを推測し, 数学的帰納法で証明せよ.
問題 26   解答26     [10阪大後期]

$p$は素数,$r$は正の整数とする.以下の問いに答えよ.

  1. $x_1,\ x_2,\ \cdots,\ x_r$についての式 $(x_1+x_2+\cdots+x_r)^p$を展開したときの単項式 ${x_1}^{p_1}{x_2}^{p_2}\cdots{x_r}^{p_r}$の係数を求めよ. ここで, $p_1,\ p_2,\ \cdots,\ p_r$は0または正の整数で $p_1+p_2+\cdots+p_r=p$をみたすとする.
  2. $x_1,\ x_2,\ \cdots,\ x_r$が正の整数のとき,
    \begin{displaymath}
(x_1+x_2+\cdots+x_r)^p-({x_1}^p+{x_2}^p+\cdots+{x_r}^p)
\end{displaymath}

    $p$で割り切れることを示せ.
  3. $r$$p$で割り切れないとする. このとき,$r^{p-1}-1$$p$で割り切れることを示せ.

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Aozora
2015-03-02