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方程式と恒等式

南海  文字を用いて表された式を2つ用意し,それを等号でつないだものが「等式 equality」だ. 等式にはどのようなものがあるのか.

史織  「方程式」と「恒等式」です

\begin{displaymath}
x^2-3x+2=0,\ \quad x^2-3x+2=(x-2)(x-1)
\end{displaymath}

第一の等式は特別な $x$ の値でしか成立しません.このような等式を「方程式」, その値を方程式の解,といいます.第二の等式は任意の $x$ で成立します.このような等式を 「恒等式」といいます.

史織  方程式における文字を「未知数」という.恒等式における文字は定数とも考えてよいし 変数と考えてもよい.

\begin{displaymath}
x^2+2x+1=(x+1)^2
\end{displaymath}

$x$ は,定数でもあり,二つの関数 $f(x)=x^2+2x+1$$g(x)=(x+1)^2$ が同じ関数である という意味なら,変数とも考えられる.

史織  変数が2つあるときはどうなるのですか.

南海 

\begin{displaymath}
x^2+2xy+y^2=(x+y)^2
\end{displaymath}

ならこれは明らかに恒等式だ.

では

\begin{displaymath}
x+y=1
\end{displaymath}

は.

史織  $(2,\ 3)$ では成立しませんから恒等式ではありません. $y=-x+1$ ですから, $y$$x$ の関数?

南海  そのようにも言えるし, $y$ を定数とし $x$ の方程式とも見ることができる. この場合解は $x=-y+1$

史織  $xy$ 平面の直線とも言える.



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