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合成関数,逆関数

史織  これまで考えたことをふまえ,合成関数,逆関数についても,正確につかみたいと思います.

南海  集合${\mathsf A}$から集合${\mathsf B}$への関数 $y=f(x)$ と, 集合${\mathsf B}$から集合${\mathsf C}$への関数 $y=g(x)$ を考える.

この場合,集合${\mathsf B}$に対する変数を $y$ , 集合${\mathsf C}$に対する変数を $z$ と定めておく方が考えやすいので, $g$ については $z=g(y)$ と表す.

このとき,$z=g(f(x))$${\mathsf A}$から${\mathsf C}$への関数となる. これを二つの関数 $f$ $g$ の合成関数といい, $g \circ f$ と表わす.つまり, $g \circ f(x)=g(f(x))$ である.

${\mathsf A}$から${\mathsf B}$への関数 $y=f(x)$ $x_1,x_2 \in {\mathsf A}$ に対し, $x_1 \ne x_2$ ならば $f(x_1) \ne f(x_2)$ であるとき, $f$${\mathsf A}$ から${\mathsf B}$への1対1関数 という.

${\mathsf A}$から${\mathsf B}$への関数 $y=f(x)$ が1対1関数であるとする. このとき値域の要素 $y$ にたいして, $f(x)=y$ となる${\mathsf A}$の要素 $x$ がただ1つ対応する. これによって${\mathsf B}$の部分集合である値域から ${\mathsf A}$への関数が定まる.この関数を $f^{-1}$ と表わす.

定義より $f \circ f^{-1}(x)=x,\ f^{-1} \circ f(x)=x$ である.

現実的な逆関数の作り方は, $y=f(x)$ を逆に解いて,$x=g(y)$ を作ればよい.

独立変数を $x$ ,従属変数を $y$ とするのならこの $x$$y$ を入れ替えて, $y=g(x)$ としたものが,求める $f^{-1}(x)$ である.

演習 11       解答11

次の $f$$g$ に対して, $y=f(x)$$y=g(x)$ を 合成した関数 $f \circ g(x)$ を求めよ.

  1. $f(x)=-x+2,\ g(x)=2x$
  2. $f(x)=2x^2+x-3,\ g(x)=x-1$
  3. $f(x)=\dfrac{x-1}{x+1},\ g(x)=\dfrac{x-1}{x+1}$
  4. $f(x)=x^2-2px+q,\ g(x)=x+p$
  5. $f(x)=\dfrac{ax+b}{cx+d},\ g(x)=\dfrac{px+q}{rx+s}$
  6. $f(x)=\dfrac{2x}{x+4},\ g(x)=(3x-5)^2$
  7. $f(x)=x^3-2x,\ g(x)=x+\dfrac{1}{x}$

演習 12       解答12

次の関数の逆関数 $f^{-1}(x)$ と定義域を求めよ.

  1. $f(x)=3x+2$
  2. $x \le 2 で定義されている y=-x^2+4x+2$ 〔神戸女子薬大〕
  3. $f(x)=x^2-2x-1,\ (1 \le x)$
  4. $f(x)=\dfrac{x-1}{x+1}$
  5. $f(x)=ax+b$
  6. $f(x)=x^2-2px+q,\ (p \le x)$
  7. $f(x)=\dfrac{ax+b}{cx+d},\ (ad-bc \ne 0)$



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