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解答

解答 1       問題1

ゆえに $A$  は体である.

2.同様に乗法の逆元の存在を示せばよい.

    \begin{eqnarray*}
&&\dfrac{1}{a+b\sqrt{2}+c\sqrt{3}+d\sqrt{6}}\\
&=&\dfrac{a+...
...d^2-\sqrt{2}(2ab-6cd)\}}
{(a^2+2b^2-3c^2-6d^2)^2-2(2ab-6cd)^2}
\end{eqnarray*}

    これを展開して整理すれば $B$ に属することは明らかである. ゆえに $B$ は体である.

解答 2       問題2
  1. 加法 $(a,\ b)+(c,\ d)=(a+c,\ b+d)$
  2. 加法,乗法の交換法則,加法の結合法則は明かである.
  3. 乗法の結合法則:

    \begin{eqnarray*}
\{(a,\ b)\times (c,\ d)\}\times(e,\ f)\\
&=&(ac-bd,\ ad+bc)...
... b)\times(ce-df,\ cf+de)=(ace-adf-bcf-bde,\ acf+ade+bce-bdf)\\
\end{eqnarray*}

    より成立.
  4. 乗法の逆元 $(a,\ b)^{-1}
=\left(\dfrac{ac+bd}{c^2+d^2},\ \dfrac{bc-ad}{c^2+d^2}\right)$
ゆえに $V$ は体である.

解答 3       問題3

  1. $\mathrm{X}=(x,\ y)$とおく. $\mathrm{A}\circ\mathrm{X}=\mathrm{B}$ より

    \begin{displaymath}
\left\{
\begin{array}{l}
a_1x-a_2y=b_1\\
a_1y+a_2x=b_2\\
\end{array} \right.
\end{displaymath}

    これを解いて

    \begin{displaymath}
x=\dfrac{a_1b_1+a_2b_2}{a_1^2+a_2^2},\
y=\dfrac{a_1b_2-a_2b_1}{a_1^2+a_2^2}
\end{displaymath}

    つまり $\mathrm{X}
=\left(\dfrac{a_1b_1+a_2b_2}{a_1^2+_2^2},\
\dfrac{a_1b_2-a_2b_1}{a_1^2+_2^2}\right)$.また $b_1=a_1,\ b_2=a_2$ より $\mathrm{Z}=(1,\ 0)$
  2. 条件から $\mathrm{P}$, $\mathrm{P \circ P}$, $\mathrm{P \circ P \circ P}$, $\mathrm{P \circ P \circ P \circ P}$はすべて 集合$\mathrm{M}$に属する.集合$\mathrm{M}$は3個の要素からなるので, $\mathrm{P}$ $\mathrm{P \circ P}$, $\mathrm{P \circ P \circ P}$, $\mathrm{P \circ P \circ P \circ P}$ のいずれかに等しい. $\mathrm{P}=\mathrm{P \circ P}$なら(1)より $\mathrm{P}=(1,\ 0)$ $\mathrm{P}=\mathrm{P \circ P \circ P}$なら(1)より $\mathrm{P \circ P}=(1,\ 0)$ $\mathrm{P}=\mathrm{P \circ P \circ P \circ P}$ なら(1)より $\mathrm{P \circ P \circ P}=(1,\ 0)$. いずれにせよ点 $(1,0)$ は集合 $\mathrm{M}$ に属する.
  3. (2)の条件がみたされるとき,$\mathrm{P}$の座標が$(1,0)$ であるとする. $\mathrm{Q}\ne (1,\ 0)$なので $\mathrm{Q}=\mathrm{Q \circ Q \circ Q}$ $\mathrm{Q}=\mathrm{Q \circ Q \circ Q \circ Q}$である.

    もし $\mathrm{Q}=\mathrm{Q \circ Q \circ Q}$なら(1)から $\mathrm{Q \circ Q}=(1,\ 0)$となる. 一方 $\mathrm{R}\ne (1,\ 0)$なので $\mathrm{Q \circ R}=\mathrm{P}$となる以外にないが,このとき $\mathrm{Q \circ R}=\mathrm{P}=\mathrm{Q \circ Q}$より $\mathrm{R}=\mathrm{Q}$ となり相異なるという条件に反する.

    ゆえに $\mathrm{Q}=\mathrm{Q \circ Q \circ Q \circ Q}$となり $\mathrm{Q \circ Q \circ Q}=(1,\ 0)$ つまり

    \begin{displaymath}
\mathrm{M}=\{(1,\ 0),\ \mathrm{Q},\ \mathrm{Q \circ Q}\}
\end{displaymath}

    である.かつ $\mathrm{Q \circ Q \circ Q}=(1,\ 0)$なので, $\mathrm{Q \circ R}=\mathrm{P}$, $\mathrm{Q \circ Q}=\mathrm{R}$ が成り立つ.
  4. $\mathrm{Q}=(x,\ y)$ とする. $\mathrm{Q \circ Q \circ Q}=(1,\ 0)$かつ $\mathrm{Q \circ Q \circ Q}=(x^3-3xy^2,\ 3x^2y-y^3)$となるので

    \begin{displaymath}
\left\{
\begin{array}{l}
x^3-3xy^2=1\\
3x^2y-y^3=0
\end{array} \right.
\end{displaymath}

    $y=0$ なら $x=1$ $\mathrm{Q}=\mathrm{P}$ となるので $y\ne 0$ . ゆえに $y^2=3x^2$ .これを第1式に代入して $-8x^3=1$ を得る.つまり $x=-\dfrac{1}{2}$ .これから $y=\pm \dfrac{\sqrt{3}}{2}$

    \begin{displaymath}
∴ \quad \mathrm{P},\ \mathrm{Q}= \left(-\dfrac{1}{2},\ \pm \dfrac{1}{2}\right)
\end{displaymath}

解答 4       問題4

  1. \begin{displaymath}
\matrix{a}{-b}{b}{a}\matrix{c}{-d}{d}{c}
=\matrix{ac-bd}{-...
...bc)}{ad+bc}{ac-bd}
=\matrix{c}{-d}{d}{c}\matrix{a}{-b}{b}{a}
\end{displaymath}

    であるから,この積は確かに集合 $M$ の積になっており,可換である.

    \begin{displaymath}
\matrix{a}{-b}{b}{a}
\matrix{\frac{a}{a^2+b^2}}{\frac{b}{a...
...{\frac{-b}{a^2+b^2}}{\frac{a}{a^2+b^2}}
=\matrix{1}{0}{0}{1}
\end{displaymath}

    なので,乗法の逆元も存在する.

    2次行列の和と積は結合法則,分配法則を満たすので,その他の条件は満たされる.

    ゆえに $M$ は可換体であることが示された.

  2. 積の定義が問題2と同じである. 和が同じであることは明らか.したがって $M$ は問題2$V$ と同型になり,その結果複素数体 $C$ と同型である.

解答 5       問題5


  1. \begin{displaymath}
(ア)\ \matrix{\sqrt{3}}{-1}{1}{\sqrt{3}}\quad\quad
(イ)\ ...
...{\sqrt{3}}{4}}{\frac{1}{4}}{-\frac{1}{4}}{\frac{\sqrt{3}}{4}}
\end{displaymath}

  2. (略)

  3. \begin{displaymath}
(ア)\ \sqrt{2}\left(\cos\dfrac{\pi}{4}+i\sin\dfrac{\pi}{4}\...
...t{2}}{2}\left(\cos\dfrac{\pi}{12}+i\sin\dfrac{\pi}{12}\right)
\end{displaymath}

  4. $\dfrac{1+i}{\sqrt{3}+i}$に対応する行列が $D$ なので, $D^{18}$ $\left(\dfrac{1+i}{\sqrt{3}+i}\right)^{18}$に対応する行列である.

    \begin{displaymath}
\left(\dfrac{1+i}{\sqrt{3}+i}\right)^{18}
=\dfrac{1}{512}\left(\cos\dfrac{3\pi}{2}+i\sin\dfrac{3\pi}{2}\right)
\end{displaymath}

    である.ゆえに求める行列は $\dfrac{1}{512}\matrix{0}{1}{-1}{0}$

解答 6       問題6

  1. \begin{displaymath}
\bar{\alpha}+\alpha=2 \quad ,\ \quad \sqrt{3}i\bar{\alpha}-\sqrt{3}i\alpha=2
\end{displaymath}

    より $\alpha=1+\dfrac{i}{\sqrt{3}}$ $\vert\alpha\vert^2=\dfrac{4}{3}$ .
  2. $\mathrm{A}(\alpha)$ とする. 直線 $\mathrm{OA}$ は直線 $L$ と直交している.

    したがって線分 $\mathrm{QQ'}$ の中点が $L$ 上にあり, 線分 $\mathrm{QQ'}$$\mathrm{OA}$ と平行であればよい.

    \begin{displaymath}
\left\{
\begin{array}{l}
\bar{\alpha}\left(\dfrac{\omega+...
...r{\omega}-\bar{\omega'}}{\bar{\alpha}}=0
\end{array} \right.
\end{displaymath}

    これから $\bar{\alpha}\omega'+\alpha\bar{\omega}=2$ を得る.ゆえに

    \begin{displaymath}
\omega'=-\dfrac{\alpha}{\bar{\alpha}}\bar{\omega}+\dfrac{2}...
...}{2}i \right)\bar{\omega}
+\dfrac{3}{2}+\dfrac{\sqrt{3}}{2}i
\end{displaymath}

解答 7       問題7 $g(x)=f(x)-x^n$$n-1$ 次式である. $g(q_1),\ g(q_2),\ \cdots,\ g(q_n)$もすべて有理数である.

$n-1$ 次式 $g(x)$ に対して$n$ 個の$x$に対する値が定まれば $g(x)$ は一意に定まる. 実際

\begin{eqnarray*}
G(x)&=&g(q_1) \dfrac{(x-q_2)(x-q_3) \cdots
(x-q_n)}{(q_1-q_...
...\cdots
(x-q_{n-1})}{(q_n-q_1)(q_n-q_2) \cdots
(q_n-q_{n-1})}
\end{eqnarray*}

とおく.このとき $G(q_1)=g(q_1),\cdots,\ G(q_n)=g(q_n)$ なので恒等式の原理より $G(x)=g(x)$ . したがって

\begin{eqnarray*}
f(x)&=&x^n+g(x)\\
&=&x^n+g(q_1) \dfrac{(x-q_2)(x-q_3) \cdots ...
...\cdots
(x-q_{n-1})}{(q_n-q_1)(q_n-q_2) \cdots
(q_n-q_{n-1})}
\end{eqnarray*}

これから $f(x)$ が有理数係数の $n$ 次多項式であることが示された.

※これが「ラグランジュの補間公式」の方法である. つぎに数学的帰納法による解を示す.

$n=1$ のとき. $f(x)=x+b$ とおく.$f(q_1)=q_1+b$$f(q_1)$ が有理数なので, $b=f(q_1)-q_1$ も有理数である.

$n=m$ のとき成立するとする.

$n=m+1$ のとき. $f(x)$$x^{m+1}$ の係数が1である $x$$m+1$ 次式とし, 相異なる $m+1$ 個の有理数 $q_1,\ q_2,\ \cdots,\ q_{m+1}$に対し $f(q_1),\ f(q_2),\ \cdots,\ f(q_{m+1})$がすべて有理数であるとする.

因数定理より

\begin{displaymath}
f(x)=(x-q_{m+1})Q(x)+f(q_{m+1}) \quad \cdots\maru{1}
\end{displaymath}

となる.ここで $Q(x)$$m$ 次式で $x^m$ の係数は両辺の係数を比較して1である.

$q_1,\ q_2,\ \cdots,\ q_{m+1}$はすべて異なるので, $q_1,\ q_2,\ \cdots ,\ q_m$に対し

\begin{displaymath}
Q(q_i)=\dfrac{f(q_i)-f(q_{m+1})}{q_i-q_{m+1}}
\end{displaymath}

したがって $Q(q_1),\ \cdots,\ Q(q_m)$ はすべて有理数である.

数学的帰納法の仮定から $Q(x)$ は有理数係数の多項式である.ゆえに$\maru{1}$から $f(x)$ も 有理数係数の多項式である.

したがって題意が示された.

解答 8       問題8

  1. $-\dfrac{a^2}{4}+1$
  2. $\left\{
\begin{array}{ll}
1&(a\le 0)\\
-\dfrac{a^2}{4}+1&(0<a<2)\\
-a+2&(2\le a)
\end{array} \right.$

解答 9       問題9

\begin{displaymath}
M(a)=\left\{
\begin{array}{ll}
a&(1<a)\\
1&(a \le 1)
\e...
...{ll}
\dfrac{a}{a+1}&(0<a)\\
a&(a \le 0)
\end{array}\right.
\end{displaymath}

解答 10       問題10

\begin{displaymath}
m(a)=1,\ \quad M(a)=a^2-3a+1
\end{displaymath}

解答 11       問題11
  1. $f \circ g(x)=-2x+2$
  2. $f \circ g(x)=2x^2-3x-2$
  3. $f \circ g(x)=-\dfrac{1}{x}$
  4. $f \circ g(x)=x^2-p^2+q$
  5. $f \circ g(x)=\dfrac{(ap+br)x+aq+bs}{(cp+dr)x+cq+ds}$
  6. $f \circ g(x)=\dfrac{2(3x-5)^2}{(3x-5)^2+4}$
  7. $f \circ g(x)=x^3+x+\dfrac{1}{x}+\dfrac{1}{x^3}$

解答 12       問題12

  1. $f^{-1}(x)=\dfrac{1}{3}x-\dfrac{2}{3}$, 定義域:全実数
  2. $f^{-1}(x)=\sqrt{6-x}+2$, 定義域: $x\le 6$
  3. $f^{-1}(x)=\sqrt{x+2}+1$, 定義域: $-2\le x$
  4. $f^{-1}(x)=\dfrac{x+1}{-x+1}$, 定義域: $x \ne 1$
  5. $f^{-1}(x)=\left\{
\begin{array}{ll}
\dfrac{1}{a}x-\dfrac{b}{a},\ 定義域:全実数& a\ne 0 \\
逆関数なし& a=0
\end{array} \right.$
  6. $f^{-1}(x)=\sqrt{x+p^2-q}+p$, 定義域: $-p^2+q \le x$
  7. $f^{-1}(x)=\dfrac{dx-b}{-cx+a}$, 定義域: $c \ne 0 なら x \ne \dfrac{a}{c},\ c=0 なら全実数$

解答 13       問題13

    1. $f(x)=a_nx^n+[n-1以下の項のみ]$ とおく.

      \begin{eqnarray*}
f(x+1)-f(x)&=&a_n(x+1)^n-a_nx^n+[n-1以下の項のみ]\\
&=&a_n(nx^{n-1}+\cdots)+[n-1以下の項のみ]
\end{eqnarray*}

      となり,確かに $n-1$ 次以下である.
    2. 必要条件であることは明らかである.

      十分条件であることを $f(x)$ の次数 $k$ に関する帰納法で証明する.

      $k=1$ のとき. $f(x)=ax+b$ とおく.

      \begin{displaymath}
f(m+1)-f(m)=a
\end{displaymath}

      より, $a$ が整数で, $f(m)=am+b$ より $b$ が整数.よって, 任意の整数 $n$ に対して $f(n)=an+b$ は整数値である.

      $1,\ 2,\ \cdots,\ k-1$ について成立するとする.

      \begin{displaymath}
g(x)=f(x+1)-f(x)
\end{displaymath}

      とおく.このとき $g(x)$$k$ 個の連続する整数 $m,\ m+1,\ \cdots,\ m+k-1$ に対する値

      \begin{displaymath}
g(m)=f(m+1)-f(m),\ \cdots,\ g(m+k-1)=f(m+k)-f(m+k-1)
\end{displaymath}

      がすべて整数であるので,帰納法の仮定により任意の整数$n$に対して$g(n)$は整数値を取る.

      $f(m)$ が整数で,階差がすべて整数なので,任意の整数$n$に対して$f(n)$は整数値を取る.

      よって, 任意の次数 $k$ に関して『 』が示された.

    1. $k$ に関する帰納法で示す.

      $k=1$ のとき. $u_1(x)=x$ なので

      \begin{displaymath}
f(x)=ax+b=au_1(x)+bu_0(x)
\end{displaymath}

      より, 成立している.
      $k-1$ 以下のとき成立しているとする.
      $f(x)$$x^k$ の係数を $a_k$ とする. $c_k=k!\,a_k$ とおく.このとき

      \begin{displaymath}
f(x)-c_ku_k(x)
\end{displaymath}

      $k-1$ 次以下である.したがって, これは $c_0(x),\ \cdots,\ c_{k-1}(x)$ で表せるから, $f(x)$ $c_0(x),\ \cdots,\ c_k(x)$ で表せることが示せた.

      よって, 任意の $k$ に対して題意が成立した.

    2. 必要条件を示す.

      任意の整数 $n$ に対して $f(n)$ が整数なので

      \begin{eqnarray*}
f(0)&=&c_0\\
f(1)&=&c_1+c_0\\
&&\cdots\\
f(k)&=&
c_k\dfrac{...
...ac{k!}{(k-1)!1!}+\cdots
+c_{k-i}\cdot{}_k\mathrm{C}_i+\cdots+c_0
\end{eqnarray*}

      がすべて整数である. よって, $c_0,\ c_1,\ \cdots,\ c_k$ がこの順に整数であることがわかる.

      十分条件を示す.

      $n\ge k$ なら

      \begin{displaymath}
f(n)=c_k{}_n\mathrm{C}_k+c_{k-1}{}_n\mathrm{C}_{k-1}+\cdots+c_0
\end{displaymath}

      となる. よって, $f(n)$ は整数値を取る.
      $k>n>0$ のとき ${}_n{\rm C}_k=0$ とすれば上と同じ式が成り立つので $f(n)$ は整数値を取る.

      $n\le0$ のとき $n=-m$ とすると

      \begin{displaymath}
u_l(n)=\dfrac{(-m)(-m-1)\cdots(-m-l+1)}{l!}=(-1)^l{}_{m+l-1}\mathrm{C}_l
\end{displaymath}

      なので,やはり整数値を取る.

      以上で必要十分条件であることが示された.

注意1     2は

\begin{eqnarray*}
u_l(x+1)-u_l(x)&=&\dfrac{x(x-1)\cdots(x-l+1)}{l!}-\dfrac{(x-1)...
...l!}\\
&=&\dfrac{\{(x-1)\cdots\{x-1-(l-1)+1)}{(l-1)!}=u_{l-1}(x)
\end{eqnarray*}

という事実を利用して $f(x)$ の次数に関する帰納法で示すこともできる.

注意2 2の証明をよく見れば
1の条件: $k+1$ 連続整数で $f(x)$ が整数値を取ること
2の条件: $c_0(x),\ \cdots,\ c_k(x)$ がすべて整数であること
の同値性を直接示すこともできる.

解答 14       問題14

\begin{displaymath}
f(x)=a_n\dfrac{x(x-1)\cdots(x-n+1)}{n!}+\cdots +a_k\dfrac{x(x-1)\cdots(x-k+1)}{k!}+\cdots +a_0
\end{displaymath}

とおく.

\begin{displaymath}
f(k)=a_k+ka_{k-1}+\dfrac{k(k-1)}{2}a_{k-2}+\cdots +a_0=2^k
\end{displaymath}

となる. $k=0$ のとき, $a_0=1$ がわかる. $a_0=\cdots =a_{k-1}=1$ とする.

\begin{displaymath}
a_k+{}_{k}\mathrm{C}_{1}+{}_{k}\mathrm{C}_{2}+\cdots+{}_{k}\mathrm{C}_{k}=a_k+(2^k-1)
=2^k
\end{displaymath}

より, $a_k=1$ だから, $a_0=a_1=\cdots=a_k=1$ である. よってこのとき,

\begin{displaymath}
f(n+1)=
{}_{n+1}\mathrm{C}_{n}+{}_{n+1}\mathrm{C}_{n-1}+\cdots+{}_{n+1}\mathrm{C}_{0}
=2^{n+1}-1
\end{displaymath}

解答 15       問題15
  1. $x+y+z=2$
  2. $\dfrac{x}{a}+\dfrac{y}{b}+\dfrac{z}{c}=1$
  3. $(a_2b_3-a_2c_3-b_3c_2)x+(a_1c_3-a_1b_3-b_1c_3)y+(b_1c_2-a_2b_1-a_1c_2)z\\
=-(a_1b_3c_2+a_2b_1c_3)$

解答 16       問題16

  1. $(1,\ 6,\ 3)$ に平行.
  2. $(2,\ 1,\ 0)$ に平行.

解答 17   問題17

$f(x)=x^{100}$とおき,有限和$S_n$

\begin{eqnarray*}
S_n&=&\sum_{k=1}^{2n}(-1)^k\left(\dfrac{k}{2n} \right)^{100}
=...
...eft(\dfrac{2i}{2n}\right)-f\left(\dfrac{2i-1}{2n}\right)\right\}
\end{eqnarray*}

とする.

$0<X<Y$のとき平均値の定理から$X<c<Y$

\begin{displaymath}
\dfrac{f(Y)-f(X)}{Y-X}=f'(c)
\end{displaymath}

となるものが存在する.各区間 $\left[\dfrac{2i-1}{2n},\ \dfrac{2i}{2n} \right]$ に用いて,

\begin{displaymath}
f\left(\dfrac{2i}{2n}\right)-f\left(\dfrac{2i-1}{2n}\right)
=\dfrac{1}{2n}f'(c_i)
\end{displaymath}

と表せる.つまり $S_n=\dfrac{1}{2}\sum_{i=1}^n\dfrac{1}{n}f'(c_i)$とリーマン和で表せた.


\begin{displaymath}
\lim_{n \to \infty}\sum_{i=1}^nS_n=
\dfrac{1}{2}\int_0^1f'(x...
...right]_0^1
=\dfrac{1}{2}\left[x^{100} \right]_0^1=\dfrac{1}{2}
\end{displaymath}

注意

この問題はどこまで一般化できるのか.

$f(x)$が微分可能で$f'(x)$が連続な任意の関数で次式が成立する.

\begin{displaymath}
\lim_{n \to \infty}
\sum_{i=1}^n\left\{f\left(\dfrac{2i}{2n}...
...}\, \int_0^1\,\, f'(x)\,dx=\dfrac{1}{2}\left(f(1)-f(0) \right)
\end{displaymath}

解答 18   問題18
  1. 部屋を移る確率は$\dfrac{1}{3}$,移らない確率は$\dfrac{2}{3}$である. したがって

    \begin{displaymath}
\begin{array}{l}
P_A(n+1)=\dfrac{2}{3}P_A(n)+\dfrac{1}{3}P...
...}P_A(n)+\dfrac{2}{3}P_B(n)
\end{array} \quad \cdots\maru{1}
\end{displaymath}

    ただし $P_A(n)+P_B(n)=1$である. これから

    \begin{displaymath}
\begin{array}{ll}
P_A(1)=\dfrac{2}{3}P_A(0)+\dfrac{1}{3}P_...
...dfrac{14}{27},\
&P_B(3)=1-P_A(3)=\dfrac{13}{27}
\end{array} \end{displaymath}

    また,3回で起こりうる持ち点は $4,\ 2,\ 0,\ -2$

    \begin{displaymath}
\begin{array}{lcccc}
持ち点&4&2&-2\\
部屋&AAA&AAB,\ ABA,...
...ft(\dfrac{2}{3}\right)\left(\dfrac{1}{3}\right)^2
\end{array} \end{displaymath}


    \begin{displaymath}
E(3)=4\cdot\dfrac{8}{27}+2\cdot\dfrac{8}{27}+(-2)\dfrac{4}{27}
=\dfrac{40}{27}
\end{displaymath}

  2. 1に解答あり.
  3. $\maru{1}$から

    \begin{displaymath}
P_A(n+1)-P_B(n+1)=\dfrac{1}{3}\{P_A(n)-P_B(n)\}
\end{displaymath}


    \begin{displaymath}
∴\quad P_A(n)-P_B(n)=\left(\dfrac{1}{3}\right)^n\{P_A(0)-P_B(0)\}
=\left(\dfrac{1}{3}\right)^n
\end{displaymath}

    $P_A(n)+P_B(n)=1$とあわせて

    \begin{eqnarray*}
P_A(n)&=&\dfrac{1}{2}\left\{1+\left(\dfrac{1}{3}\right)^n\rig...
...B(n)&=&\dfrac{1}{2}\left\{1-\left(\dfrac{1}{3}\right)^n\right\}
\end{eqnarray*}

  4. $k$回目の試行による持ち点の増減量を$X_k$とする.$n$回目の試行を終えたときの 持ち点$X$

    \begin{displaymath}
X=1+X_1+X_2+\cdots+X_n
\end{displaymath}

    である.

    \begin{displaymath}
∴\quad E(n)=1+E(X_1+X_2+\cdots+X_n)=1+\sum_{k=1}^nE(X_k)
\end{displaymath}

    ここで

    \begin{displaymath}
E(X_k)=1\cdot P_A(k)+(-1)\cdot P_B(k)=\left(\dfrac{1}{3}\right)^k
\end{displaymath}

    \begin{eqnarray*}
∴\quad E(n)&=&1+\sum_{k=1}^nE(X_k)
=1+\sum_{k=1}^n\left(\df...
...
=\dfrac{3}{2}\left\{1-\left(\dfrac{1}{3}\right)^{n+1}\right\}
\end{eqnarray*}

    $n=3$のとき計算すると,

    \begin{displaymath}
\dfrac{3}{2}\left\{1-\left(\dfrac{1}{3}\right)^4\right\}
=\dfrac{3}{2}\cdot\dfrac{80}{81}=\dfrac{40}{27}
\end{displaymath}

    1ではそれぞれの持ち点に対する確率を計算したが,(4)の方法の方が簡明である.

解答 19   問題19

  1. $N=5$のとき.$X=0,\ Y=0$となるのは,5の目が連続する場合なので

    \begin{displaymath}
P(X=0,\ Y=0)=\dfrac{1}{6}\cdot\dfrac{1}{6}=\dfrac{1}{36}
\end{displaymath}

    一方$Y=0$となるのは,2つの目の出方が

    \begin{displaymath}
(1,\ 4),\ (2,\ 3),\ (3,\ 2),\ (4,\ 1),\ (6,\ 4),\ (4,\ 6),\ (5,\ 5)
\end{displaymath}

    となる場合なので7通りある.

    \begin{displaymath}
∴\quad P(X=0)P(Y=0)=\dfrac{1}{6}\cdot\dfrac{7}{36}\ne\dfrac{1}{36}
\end{displaymath}

    つまり2つの確率変数$X$$Y$は独立ではない.

    $N=6$のとき. $X$$i$に固定する.このとき2回目に出る目を$x$とすれば$Y=j$となるのは

    \begin{displaymath}
i+x=j+(6の倍数)
\end{displaymath}

    のとき.この$x$ $x=j-i+(6の倍数)$より$j-i$を6で割った余りなのでただ一つである.

    \begin{displaymath}
∴\quad P(X=i,\ Y=j)=\dfrac{1}{6}\cdot\dfrac{1}{6}=\dfrac{1}{36}
\end{displaymath}

    一方$Y=j$となるのは,1回目の結果が $X=i\ (i=0,\ 1,\ 2,\ \cdots,\ 5)$のいずれに対しても, 2回目に出るべき目は$j-i$を6で割った余りなのでただ一つである.

    \begin{eqnarray*}
∴&&P(X=i)P(Y=j)\\
&=&\dfrac{1}{6}\cdot{}_6\mathrm{C}_1\left(\dfrac{1}{6}\right)^2
=\dfrac{1}{36}
\end{eqnarray*}

    つまり2つの確率変数$X$$Y$は独立である.
  2. $N=3$のとき. $X$$i$に固定する.このとき2回目に出る目を$x$とすれば$Y=j$となるのは

    \begin{displaymath}
i+x=j+(3の倍数)
\end{displaymath}

    のとき.この$x$は, $x=j-i+(3の倍数)$より$j-i$を3で割った余りなので2つある.

    \begin{displaymath}
∴\quad P(X=i,\ Y=j)=\dfrac{2}{6}\cdot\dfrac{2}{6}=\dfrac{1}{9}
\end{displaymath}

    一方$Y=j$となるのは,$X$$i=1,\ 2,\ 3$のいずれに対しても, 2回目の目は$j-i$を3で割った余りなので2つある.

    \begin{eqnarray*}
∴&&P(X=i)P(Y=j)\\
&=&\dfrac{2}{6}\cdot{}_3\mathrm{C}_1\left(\dfrac{2}{6}\right)^2
=\dfrac{1}{9}
\end{eqnarray*}

    つまり2つの確率変数$X$$Y$は独立である.

    $N=4$のとき.$X=0,\ Y=0$となるのは,4の目が連続する場合なので

    \begin{displaymath}
P(X=0,\ Y=0)=\dfrac{1}{6}\cdot\dfrac{1}{6}=\dfrac{1}{36}
\end{displaymath}

    一方$Y=0$となるのは,2つの目の出方が

    \begin{displaymath}
(1,\ 3),\ (2,\ 2),\ (3,\ 1),\ (6,\ 2),\ (5,\ 3),\ (4,\ 4),\ (3,\ 5),\ (2,\ 4),\ (6,\ 6)
\end{displaymath}

    となる場合なので9通りある.

    \begin{displaymath}
∴\quad P(X=0)P(Y=0)=\dfrac{1}{6}\cdot\dfrac{9}{36}\ne\dfrac{1}{36}
\end{displaymath}

    2つの確率変数$X$$Y$は独立ではない.

    $N\ge 7$のとき.$X=6$のとき,$Y=6$となることはない.

    \begin{displaymath}
∴\quad P(X=6,\ Y=6)=0
\end{displaymath}

    一方$Y=6$となるのは,2つの目の出方が

    \begin{displaymath}
(1,\ 5),\ \cdots
\end{displaymath}

    といくつかあり, $P(X=6)=\dfrac{1}{6}$なので

    \begin{displaymath}
P(X=6)P(Y=6)\ne 0
\end{displaymath}

    つまり2つの確率変数$X$$Y$は独立ではない.

解答 20   問題20

  1. 色の変化が起こる場所(電球と電球の間と考えればよい)は$n-1$通りある. 1つの場所で色が変化するのは,青赤と変化するか,赤青と変化する場合なので その確率は

    \begin{displaymath}
\dfrac{1}{2}\cdot\dfrac{1}{2}+\dfrac{1}{2}\cdot\dfrac{1}{2}=\dfrac{1}{2}
\end{displaymath}

    ゆえに1回だけ色が変化する確率は

    \begin{displaymath}
{}_{n-1}\mathrm{C}_1\left(\dfrac{1}{2} \right)^{n-1}
\end{displaymath}

    左端が赤色の場合と青の場合は同様に確かで$\dfrac{1}{2}$ずつなので, 求める確率は

    \begin{displaymath}
\dfrac{n-1}{2^n}
\end{displaymath}

  2. 1つの場所で色が変化しない確率も$\dfrac{1}{2}$である. ゆえに$n-1$カ所で色が変化しない確率は $\dfrac{1}{2^{n-1}}$である. したがって色の変化が少なくとも2回起きる確率は,

    \begin{displaymath}
1-\left(\dfrac{n-1}{2^n}+ \dfrac{1}{2^{n-1}}\right)=1-\dfrac{n-1}{2^{n-1}}
\end{displaymath}

  3. 同様に考え

    \begin{displaymath}
\dfrac{{}_{n-1}\mathrm{C}_m}{2^{n-1}}
\end{displaymath}

  4. 色の変化の回数を$X$とおく.

    \begin{eqnarray*}
E(X)&=&\sum_{m=1}^{n-1}m\dfrac{{}_{n-1}\mathrm{C}_m}{2^{n-1}}...
...}\mathrm{C}_k\\
&=&\dfrac{n-1}{2^{n-1}}2^{n-2}=\dfrac{n-1}{2}
\end{eqnarray*}

    注意 二項整数の性質

    \begin{displaymath}
k{}_n {\rm C}_k=n{}_{n-1} {\rm C}_{k-1} \quad (1 \le k \le n-1)
\end{displaymath}

    を用いている.上のように直接計算(これが方法1)してもよいが次のようにも示せる.

    方法2
    二項定理より

    \begin{displaymath}
(1+x)^n=\sum_{k=0}^n {}_n {\rm C}_k x^k
\end{displaymath}

    この両辺を $x$ で微分する.

    \begin{displaymath}
n(1+x)^{n-1}=\sum_{k=1}^n k{}_n {\rm C}_k x^{k-1}
\end{displaymath}

    両辺の $x^{k-1}$ の係数を比較して

    \begin{displaymath}
n{}_{n-1} {\rm C}_{k-1}=k{}_n {\rm C}_k \quad (1 \le k \le n-1)
\end{displaymath}

    方法3
    $n$ 人から $k$ 人の委員とその中の委員長を選ぶ選び方を考える.
    $n$ 人から $k$ 人の委員をまず選び, $k$ 人の中から委員長1人を選ぶ,とすると, ${}_n {\rm C}_k \times k$ 通りの選び方がある.
    $n$ 人から委員長を先に選び,その後 $n-1$ 人から残る $k-1$ 人の委員を選ぶ,とすると, $n \times {}_{n-1} {\rm C}_{k-1}$ 通りの選び方がある.

    \begin{displaymath}
∴\quad k{}_n {\rm C}_k=n{}_{n-1} {\rm C}_{k-1} \quad (1 \le k \le n-1)
\end{displaymath}

    [(4)の別解]
    確率変数$X_k$

    \begin{displaymath}
X_k=
\left\{
\begin{array}{ll}
1&(k番目の場所で変化する)\\
0&(k番目の場所で変化しない)\\
\end{array} \right.
\end{displaymath}

    で定める.

    \begin{displaymath}
X=X_1+X_1+X_2+\cdots+X_{n-1}
\end{displaymath}

    である.また

    \begin{displaymath}
E(X_k)=0\cdot\dfrac{1}{2}+1\cdot\dfrac{1}{2}=\cdot\dfrac{1}{2}
\end{displaymath}

    である.

    \begin{displaymath}
∴\quad E(X)=\sum_{k=1}^{n-1}E(X_k)=\dfrac{n-1}{2}
\end{displaymath}

解答 21       問題21
  1. 偽.反例 $x=-3$
  2. 偽.反例 $x=0,\ y=1$
  3. 偽.反例 $x=1+\sqrt{2},\ y=1-\sqrt{2}$
  4. 真.対偶 :$x\le 1$ かつ $y\le 0$ なら $x+y\le 1$ である.
  5. 偽.反例 $x=3,\ y=\dfrac{1}{2}$

解答 22       問題22
  1. $n$ が30で割り切れれば,6または15で割り切れるが,逆は言えない. よって,(b)
    6で割り切れるものが,50個.
    15で割り切れるものが,20個.
    6かつ15で割り切れる,つまり,30で割りきれるものが10個.
    ∴      $50+20-10=60(個)$
  2. $m+n=12k,\ mn=12l$ なら, $mn=m(12k-m)=12l$ .つまり $m^2=12(mk-l)$$m^2$ が12の倍数なので,$m$ は素因数2と3を持つ.つまり6の倍数. このとき $n=12-m$ から $n$ も6の倍数.
    逆に $m=6,\ n=12$とすると $m+n=18$ は12で割り切れない.よって,(c).
    $m=6k,\ n=6l$とかける.さらに $m+n=6(k+l),\ mn=36kl$ なので, $m+n,\ mn$ が12の倍数になるためには $k$$l$ の偶数と奇数が一致すればよい.
        $k=1$ に対して $l=1,\ 3,\ \cdots ,\ 15$ の8個.
        $k=2$ に対して $l=2,\ 4,\ \cdots ,\ 16$ の8個.
        $k=3$ に対して $l=3,\ \cdots ,\ 15$ の7個.
        $k=4$ に対して $l=4,\ \cdots ,\ 16$ の7個.
        $\cdots$
        $k=15$ に対して $15$ の1個.
        $k=16$ に対して $16$ の1個.

    \begin{displaymath}
∴ \quad 2(8+7+\cdots+1)=72(個)
\end{displaymath}

  3. $l+m+n,\ lm+mn+nl,\ lmn$ がすべて5で割り切れるとする. $lmn$ が5の倍数なので少なくともひとつ,例えば $l$ は5の倍数. するとその結果, $m+n=-l,\ mn=-l(m+n)$ が5の倍数.
    $m,\ n$ の少なくとも一つは5の倍数. $m$ が5の倍数なら $n=-m$ も 5の倍数. 条件は $l,\ m,\ n$ で対称なので, $l,\ m,\ n$ は5の倍数.
    逆は明らか.よって,(a).
  4. (3)は任意の素数 $p$ で成り立つ.つまり $l+m+n,\ lm+mn+nl,\ lmn$ がすべて $p$ の倍数なら,$l,\ m,\ n$がすべて $p$ の倍数になる. ここで $30=2\cdot 3 \cdot 5$ なので$p=2,\ 3,\ 5$ とすることにより $l,\ m,\ n$ はすべて $2,\ 3,\ 5$ の倍数であることがわかる.
    よって $l,\ m,\ n$ は30の倍数. 逆は明らか.∴     (a).
    30の倍数の組は

    \begin{eqnarray*}
(l,\ m,\ n)&=&(30,\ 30,\ 30),\ (30,\ 30,\ 60),\ (30,\ 30,\ 90...
...60,\ 60),\ (60,\ 60,\ 90),\ (60,\ 90,\ 90)\\
&&(90,\ 90,\ 90)
\end{eqnarray*}

    ∴     10個

解答 23       問題23

  1. 原点を通る2つの直線が第1象限の原点以外の点を共有する.ゆえに2直線は一致し 傾きは正であることが必要十分条件である.

    \begin{displaymath}
\{(a,\ b)\ \vert\ ab=1,\ a,\ b <0\ \}
\end{displaymath}

  2. 命題$[Q]$ は,2つのベクトルが逆方向に平行でないことと同値である.

    つまり $\left[\overline{Q}\right]$ が真となる $(a,\ b)$ の条件は

    \begin{displaymath}
(a,\ 1)=k(1,\ b) \ となる\ k<0\ が存在する.
\end{displaymath}

    である. 存在すれば $a=k,\ 1=kb$ より $ab=1,\ a<0$ .逆にこのとき逆方向に平行は明か.

    \begin{displaymath}
∴ \quad \{(a,\ b)\ \vert\ ab=1,\ a,\ b <0\ \}
\end{displaymath}

  3. 命題 $[P]$$[Q]$ の真偽は逆になっている.


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