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関数のグラフ

南海  もうひとつの大きな飛躍はグラフの方法の発見だ.

グラフとは何かな.

史織  関数 $y=f(x)$ に対して,次のような平面の点の集合を関数 $y=f(x)$ のグラフという.

\begin{displaymath}
\{(a,\ b)\ \vert\ b=f(a),\ a,\ b\ は実数\ \}
\end{displaymath}

ではどうでしょうか.

南海  その通り.ところでそうすると写像そのもののグラフも定義される.

集合${\mathsf A}$と集合${\mathsf B}$に対して,${\mathsf A}$${\mathsf B}$の要素の組の集合

\begin{displaymath}
\{\ (a,\ b)\ \vert\ a \in{\mathsf A},\ b \in{\mathsf B}\ \}
\end{displaymath}

を二つの集合${\mathsf A}$${\mathsf B}$の「直積」といい ${\mathsf A}\times{\mathsf B}$と 表す.

史織  そうか.平面というのは実数の集合と実数の集合の直積なんだ.

南海  なかなかわかりがいい.集合${\mathsf A}$から集合${\mathsf B}$への写像$f$の グラフはどのように定義されるか.

史織 

\begin{displaymath}
\{(a,\ b)\ \vert\ b=f(a),\ (a,\ b)\in {\mathsf A}\times{\mathsf B} \}
\end{displaymath}

ですね.

南海  そうだ.

史織  でもこれはなんか定義のための定義という気がします.

南海  ところがそうでもない.「数列は自然数(あるいは非負整数)を定義域とする関数だ」 という立場に立つと,数列をグラフで考えることができる.



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