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微積分の基本定理

同じく『問題新集     微分・積分基本500選』(科学新興社)のまとめに次のように書かれている.

微積分の基本定理

関数 $f(x)$ が区間 $I$ で連続ならば, $I$ の点 $a,\ x$ に関して, $x$ の関数

\begin{displaymath}
F(x)=\int_a^x f(t)\,dt \quad は \quad F'(x)=f(x) \quad を満たす
\end{displaymath}


\begin{displaymath}
\dfrac{d}{dx}\int _a^xf(t)\,dt=f(x)
\end{displaymath}

したがって,その結果として
    関数 $f(x)$ が区間 $I$ で連続で, $F(x)$$f(x)$ の原始関数ならば,

\begin{displaymath}
\int _a^bf(x)\,dx= \left[F(x) \right]_a^b=F(b)-F(a)
\end{displaymath}

が成り立つ.

史織 Bの極限が $f(x)$ が連続なら存在するのですか.

南海 そうだ.理論的にはそこが肝心なところなのだ. その証明自体は高校範囲を超える.

大切なことは,積分は Bの和の極限として定まり, その意味は $y=f(x)$$x$ 軸で囲まれた図形の符号つき面積だ,ということだ.

Bが存在しているとき, その和の極限である「符号付き面積」が実は原始関数から求まる, というのが「微積分の基本定理」なのだ.それを示そう.

関数 $f(x)$ が区間 $I$で連続で $f(x)\ge 0$ とする.$I$ の点 $a,\ x$ に関して, $x$ の関数

\begin{displaymath}
G(x)=\int_a^x f(t)\,dt
\end{displaymath}

を考える.これは $y=f(x)$$x$ 軸および $(a,\ 0),\ (x,\ 0)$ を通る $y$ 軸に平行な 2直線で囲まれる図形の面積である.

 

$x$ に対して増分 ${\it\Delta}x$ をとり小区間 $[x,\ x+{\it\Delta}x]$ での最小値を $m$ ,最大値を $M$ とする.

\begin{displaymath}
m \cdot{\it\Delta}x \le G(x+{\it\Delta}x)-G(x)\le M \cdot{\it\Delta}x
\end{displaymath}
${\it\Delta}x \to 0 $ のとき $m,\ M \to f(x)$ である.よって

\begin{displaymath}
m \le \dfrac{G(x+{\it\Delta}x)-G(x)}{{\it\Delta}x} \le M
\end{displaymath}

より

\begin{displaymath}
\lim_{{\it\Delta}x \to 0 } \dfrac{G(x+{\it\Delta}x)-G(x)}{{\it\Delta}x} =f(x)
\end{displaymath}

したがって

\begin{displaymath}
G'(x)=f(x) \quad つまり \dfrac{d}{dx}\int _a^xf(t)\,dt=f(x)
\end{displaymath}

$f(x)$の原始関数を $F(x)$ とする.

\begin{displaymath}
G(x)=F(x)+C
\end{displaymath}

とおける.$G(a)=0$ なので $C=-F(a)$

\begin{displaymath}
∴ \quad G(x)=F(x)-F(a) \quad つまり\int _a^bf(x)\,dx= \left[F(x) \right]_a^b=F(b)-F(a)
\end{displaymath}

史織 すると「 $y=f(x)$$x$ 軸に囲まれた図形の面積は, $f(x)$ の 原始関数でも求めることができる」ということが,「微積分の基本定理」なのですね.

南海 そうだ.

放物線 $y=x^2$ と 放物線上の2点 $(-1,\ 1),\ (2,\ 4)$ を結ぶ直線で囲まれた図形の面積は, アルキメデスのように区分求積をしなくても, 2点を結ぶ直線の式 $y=x+2$ を出して


と求まる.ここに「基本定理」があるのだ.

リーマン和に関する入試問題を紹介しておこう.

演習 17       [03京大後期理系5番]解答17

極限 $\displaystyle \lim_{n \to \infty}\sum_{k=1}^{2n}(-1)^k\left(\dfrac{k}{2n} \right)^{100}$ を求めよ.


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