同じく『問題新集 微分・積分基本500選』(科学新興社)のまとめに次のように書かれている.
微積分の基本定理
関数 が区間 で連続ならば, の点 に関して, の関数
したがって,その結果として
関数 が区間 で連続で, が の原始関数ならば,
が成り立つ.
史織 Bの極限が が連続なら存在するのですか.
南海 そうだ.理論的にはそこが肝心なところなのだ. その証明自体は高校範囲を超える.
大切なことは,積分は Bの和の極限として定まり, その意味は と 軸で囲まれた図形の符号つき面積だ,ということだ.
Bが存在しているとき, その和の極限である「符号付き面積」が実は原始関数から求まる, というのが「微積分の基本定理」なのだ.それを示そう.
関数 が区間 で連続で とする. の点 に関して, の関数
に対して増分 をとり小区間
での最小値を
,最大値を とする.
したがって
の原始関数を とする.
史織 すると「 と 軸に囲まれた図形の面積は, の 原始関数でも求めることができる」ということが,「微積分の基本定理」なのですね.
南海 そうだ.
放物線 と 放物線上の2点
を結ぶ直線で囲まれた図形の面積は,
アルキメデスのように区分求積をしなくても, 2点を結ぶ直線の式 を出して
リーマン和に関する入試問題を紹介しておこう.