確率変数 は の値を取り, その確率が であるとする. つまり であるとする.
確率変数 は の値を取り, その確率が であるとする. つまり であるとする.
値を確率 でとる確率変数を,確率変数との和といい,と書く.
値を確率 でとる確率変数を,確率変数との積といい,と書く.
確率変数の期待値 は と一致する.
史織
南海 これは要するに,英語と数学の合計の平均を求めるのに,先にそれぞれの合計を出しその平均をとろうと,各教科の平均を出してから加えようと,同じ結果になるということである. は何かと便利な公式であるので,使ってみよう.
3個の変量のときも
史織 期待値は結局根元事象の全体にわたる和であるという観点から を示せませんか.
南海 できる.やってみてほしい.
史織
の値がであり,の値がであるような事象をとおく.すると標本空間は
互いに排反な事象の和になる.そして
したがって
ここで期待値の和を問う過去問題を紹介しよう.
ある人がサイコロを振る試行によって,部屋A,Bを移動する. サイコロの目の数が1,3のときに限り部屋を移る. また各試行の結果,部屋Aに居る場合はその人の持ち点に1点を加え,部屋Bに居る場合は1点を減らす. 持ち点は負になることもあるとする. 第試行の結果,部屋A,Bに居る確率をそれぞれ と表す. 最初にその人は部屋Aに居るものとし(つまり, とする),持ち点は1とする.