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終結式の不変性

また,判別式の場合と同様に,$R$ $a_0,\ \cdots,\ a_m$および $b_0,\ \cdots,\ b_n$の整式として,既約である. さて,終結式もまた不変式であることを確認しよう. 不変性の確認なので等式2によって定まる$\bar{f}$, および同様にして定まる$\bar{g}$に関して示せばよい.

定理 4
$f(x)$$g(x)$はそれぞれ$
m$次, $n$次の整式で最高次数の項の係数は$a_0,\ b_0$であるとする. $\sigma=
\left(
\begin{array}{cc}
p&q\\ r&s
\end{array}
\right) \in SL(2)$に対し

\begin{eqnarray*}
&&\bar{f}(x)=(rx+s)^nf\left(\dfrac{px+q}{rx+s} \right)\\
&&\bar{g}(x)=(rx+s)^ng\left(\dfrac{px+q}{rx+s} \right)
\end{eqnarray*}

$\bar{f}(x),\ \bar{g}(x)$を定めるこのとき,

\begin{displaymath}
R(f,\ g)=R(\bar{f},\ \bar{g})
\end{displaymath}

である.

証明

判別式の証明で示したように

\begin{eqnarray*}
\bar{f}(x)&=&{a_0}'\prod_{i=0}^m(x-{\alpha_i}')\\
\bar{g}(x)&=&{b_0}'\prod_{j=0}^n(x-{\beta_j}')
\end{eqnarray*}

とすると,

\begin{displaymath}
\begin{array}{ll}
\displaystyle {a_0}'=a_0\prod_{i=1}^m(...
...-q}{-r\beta_j+p}
\quad (j=1,\ 2,\ \cdots,\ n)
\end{array}
\end{displaymath}

となる.だから

\begin{eqnarray*}
R(\bar{f},\ \bar{g})
&=&{a_0'}^n{b_0'}^m\prod({\alpha_i}'-{\...
...b_0}^m\prod\left\{(ps-qr)(\alpha_i-\beta_j) \right\}
=R(f,\ g)
\end{eqnarray*}

となる.



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