1の17乗根を求めよう.そこでまず はどちらの型かな.
耕一 とします.
南海 しかも, と違って この8個の中にすでに共役なものが組になって入っている.
耕一 本当だ.
南海 この8個の和を ,残り8個の和を としよう. のときと同様にこの和と積は求まる.
耕一 でも計算はたいへんです.
南海 確かに.少し見通しよくすることを考えよう. 今は を順次 乗していったわけだが, 順次 乗するとどうなるかな.
耕一
南海 そこでこの4個の和を , のなかの残りの和を とする.
をどのように二つに分けるかが難しいのだ.これまでのことをたどると分かるのだが 規則性をもって と の各項の指数を3倍することにしよう.
これまでと同様に
つぎに を求め, , を決定しよう.
耕一 計算します.
符号は と同様に決まるので,
南海 するとだな, , が分かれば次の段階に進める.
耕一 計算は上と同じですね.結果は
南海 いよいよ大詰め.このように から が求まっていく. この たちから を求めるのだ.
は
これを計算し整理すると
の実部が求まった.虚部は ででる.
かくして1の17乗根が求まったのだ.
以上の方法は,1796年3月30日,19歳の青年ガウス(C.F.Gauss)が目覚めて起きようとしたときに 発見したものである.そのことが「ガウス日記」に出ている.